鐵拳

IRON
FIST


スゴ腕警備隊長は、数日の休暇を取り、家族の元に戻る事になった。
その情報を手に入れ、集まったヒゲヅラ、おりん、ヒラメ、ウマヅラら悪党一味。 隊長のいない隙に、何かやらかそうと企んでいるらしい。

その夜、一味は監獄を襲い、凶悪犯シュウを脱獄させた。
その知らせが隊長の元に届いた時には、隊長にを恨むシュウと一味は既に一味は隊長宅の前。

妻と娘を殺され、右手親指も失った隊長を、シュウは敢えて逃がす。 刀を持てない隊長には、もはや仇討ちなど出来ない、復讐の為には殺すよりいいと言うのだ。

予定通り、ヒラメのマブダチ、コバンザメの家に集まった一味は、シュウにある計画を聞かせる。
「失敗したら監獄に戻って貰うぞ」

帰宅したコバンザメの話では、隊長は家財全てを売り払ったらしい。 何をするつもりか判らないが、今の隊長など恐れるに足りない。
コバンザメは、儲け話があるなら仲間に入れてくれとヒラメに頼む。

シュウの脱獄に村人達は怯えた。
隊長は、或る鍛冶屋に現れ、妻子の亡骸に誓った復讐を果たす為の道具を手に入れた。 早速、それを遣い、監獄にいるシュウの手下を問い詰め、ヒラメのマブダチ、コバンザメの情報を聞き出した隊長は、早速、そのコバンザメを探しに行く。

一方、.....
黒風村に向かう一味は、道中、乞食を雇っていた。 村一番の金持ち、高家を狙っているのだ。 3代続けて役人を出している高家には財宝がたんとある。
その家の設計をした老人が、彼らと取引をしたいと言う。

当時から下心があり、無断で金庫の合い鍵を作っていたのだが、自分で襲うには歳を取り過ぎたし、身よりも無く、必ず成功する話でも無い故、棺桶代に前金で5千両だけ貰えればいいと言う。

金庫の合い鍵と家の見取り図を手に入れた一味は、お約束通り老人を殺し、家具屋を営むその家を隠れ家とする。
おりんは近所に姪だと言ってあるので、怪しまれる事は無い。 あらかじめ、全ておりんが手筈を整えていたのだ。 原因不明の病で急死した事にして店を閉め、ほとぼりが冷めたら計画を実行に移す…

そしてここにもう一人、シュウの後を追う者があった。 その名は丁一郎、行く先々で面倒を起こすという問題児。 凶悪犯脱走の情報を手に入れた彼も又、その首に懸けられた1千万両の賞金を求めて動き出していた。 行く先は勿論、コバンザメの住む町.....

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第1頁 扇の間