神拳霸腿追魂手で
柯受良と
龍世家が華麗な舞を繰り広げた舞台、
蘇厝(
蘇家古厝)は清代、1884年にフランスとの戦争で功績を挙げた蘇松茂の息子、蘇爾民さんが炭鉱経営で富を得て建てた豪邸で、列車「汐止」駅の北と南の2箇所あり、南のこちらは駅の後ろという意味で
站後蘇厝と呼ばれている。
線路が通ったからではなく、儲かったから増やした様だ。
残念ながら既に取り壊されているが、現在の東方鴻社區として建て替えられる迄は、民族音楽の催しなどで汐止の文化界を彩っていたと言う。
確かに、新しいビルの壁や手すりなどはかつての
蘇厝を思わせ、その向いの空き地には、取り壊しの残骸が積まれたままである。
そして、その空き地の端の木の陰に、天辺の半月型のオーナメントが置かれているのだ。
この様に持ち主を失った古厝は台湾各所にあり、文化遺産として保存されているものもあれば、名も知れない廃墟となっているものも多数ある。
2回ほど拡大すれば真ん中に大きく見えるのだが、半月の右側と、左の果物の模様の部分も葉っぱの間から覗いている。
それを取り囲む様な鉄骨と、下方には煉瓦の壁の残骸が見える。
気を利かせて遺してあるのか、ただ放置されているのかは不明らしい。
生首の様な怨念すら感じるのは、単なる思い入れからだろうか?
写真のあるサイトを下に挙げておくが、それを見ていないと判り辛いかも知れない。
綺麗な頃には映画やテレビに頻繁に使われており、取り壊しを知り残念がるファンも多い様だ。
駅前の
站前蘇厝はまだ外壁が残っているらしいが、こちらも時間の問題と思われる。
汐止老街と呼ばれる附近にはこの様な古厝が幾つかある様だ。
下に挙げたページの手書きの地図は、遺跡巡りの強い味方となるだろう。
この様な場所は、綺麗なままであろうが廃墟であろうが、絶好のロケ地であったに違いない。
今後、取り壊されたり、崩壊したり植物や土に埋もれたりして、どんどん失われて行く事だろう。
我々は「最後の証人」であると言っても大袈裟ではないのかも知れない。
実際に行く場合は、駅を出てそのまま真ん前まで行ける筈だ。
ツアーなんかは絶対に無いと思うので、頑張って自力で行ってたもれ。
汐止は
台鐵で
台北から
基隆へ向かう列車の途中の駅なので、基隆エリアを訪れる際には立ち寄りたいものだ。
写真が撮られた時よりも木の侵食が進んでいる気がするが、季節のせいか、年月なのか…
他の遺跡も含め、いつまでもあるとは限らないし、早い方がいいと思うぞな。
(無くなっていても責任は負えないので、悪しからず…)
参考資料
タレコミ寺