兄弟弟子の死を知らされた世玉は同時に、自分のニセモノが暴れ回っていると知る。
処刑され首を切られた2人の亡骸も持ち去ったと言う。
「俺の女に色目を使うんじゃないぜ」
世玉に捕まり、本名を語ったニセ世玉、彼も姓は同じ方、名はティン。
ヒーローの真似事がしたかったのだという彼に案内されて或る民家に入ると、探していた2人の亡骸が立派な棺に納められていた。
マーに殺された2人が崖から落とされるのを見ていた住民達が、役人がいなくなるのを待って運んで来たというのだ。
「ティン、君のお陰だ、ありがとう」| 
その時、2人の子供を連れて立ち去る老人がいた。 ヒーロー世玉にベタボレの子供達..... 「大きくなったら方世玉みたいになるよ!」 「ああ、マイじぃさんかい、近くで漁をしているよ でも素性はよく判らない..... 時々、茶を呑みに来るけど、滅多に口を開かないからな」 「拳法の使い手だったという噂だ。 片足が不自由なのは、そのせいらしい」 何だか気になる世玉であった。 その頃、提督府では.....  | 
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「あんたがくれた前金の1千万両で俺はこの女を半分買った。
方世玉の死体と引き換えに残金1千万両を頂けば、全部俺のものだ」 「馬鹿め、さらって来ればタダだぞ、 ところで龍之介よ、仲間を紹介しよう、ティン!」 そこへ現れたのは何と、つい今しがた世玉と友になった筈のティンであった。 「ははは、あんたに習って、俺も残金は払わずに女を貰う事にした!」  | 
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龍之介は、マーの手下が日本から呼び寄せた刺客であった。 一体彼はどんな手を使って、世玉を陥れようというのか、 中国拳法にも通じているという彼が選んだ「梅花樁」での決闘とは.....?! そして杭の立ち並ぶここは、提督府公認試合の会場.....  | 
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