THE SECRET OF THE SHAOLIN POLES
方世玉大破梅花樁 - 第三頁

「俺は日本の武士だ、俺の女に堂々と色目を使い侮辱した方世玉に決闘を申し込む! 3日間の期限を与える。 俺を負かせば素直に認める、俺に負けて謝罪するなら、友達になってやろう。 もしも出て来なければ、腰抜けだ!」

誰の目から見ても、言い掛かりであった。 慌てて方世玉を呼びに行く村人。
先に現れたのはティン。 マーが龍之介に何やら囁く。

全てはマーの計画通りであった。 兄弟弟子の死体を見付けた恩人、ティンが来れば、方世玉は必ず来る…
龍之介の攻撃に会うティン、だがそれは世玉をおびき出す為の芝居であった、いや、その筈だったのだが....

本気でティンを追い詰める龍之介。
「自分の為に友が死ねば、奴は来ずにはおれまい、お前ははした金で自分の命を売ったんだ」

話を聞いて駆けつけた世玉に、龍之介の女が駆け寄る。
「全部お芝居なの、罠よ、この目で見たの!」

彼女は、杭に仕掛けられた秘密を知っていた。
「知らせに行きたかったけど、逃げられなくて…」
「ありがとう、もう知らせてくれたよ」    …と笑顔で… クラクラ~ッ

血染めにされたティンが真実を告げる。
「騙して済まん世玉、俺は友達なんかじゃない。金を貰ってたんだ。俺に構わず逃げろ!」

引き止める女達… その手をゆっくりとほどき、立ち並ぶ杭の上に跳び乗った世玉に、村人の拍手と歓声がまき起こる。

「俺の命はそんな賞金に値しないが、それ程までに俺を買ってくれるのなら、その気の毒な女性の自由と引き換えにしてくれないか」
「良かろう」

人の背丈の倍はあろうかという杭の下には、無数の竹の切り口がキバを向いている。 落ちれば命は無い。 闘い始めた二人であったが.....

杭には、龍之介のワナがそこここに仕掛けられていた。 足もとは割れるわ、竹はニョキニョキ伸びてくるわで、世玉はたちまちピンチに陥ってしまった。

胸を数カ所刺されて意識の朦朧としかける世玉を、龍之介のトドメのキックが見舞った。

世玉の体が宙に舞い、竹の先端に届こうとした時、瀕死のティンが走った。そして.....

村人の一人がすかさず駆け寄り、重傷を負った世玉を抱えて走り出した。
世玉を逃がすため、後を追おうとする龍之介を必死で止めようとする村人達。 だが、かなう相手ではない。 人々を蹴散らして進もうとする龍之介の前に立ちふさがったのは、あのナゾの老人マイであった。 杖をつき、片腕と足で互角に戦うマイ.....

様子を見に来たマーには、この老人に見覚えがあった。 それは、マーのかつての弟弟子…
「龍之介よ、方世玉の死体はどこにあるのじゃ」

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