Enter The Whirlwind Boxer
旋風方世玉 第二頁

村に辿り着いた世玉、だが叔父は仲間達と共に隠れ住んでいた。 村の権力者ツァオが仕事場を略奪し、乗っ取ってしまったのだ。 抗議に出向いた叔父は一命を取り留めたものの大けがを負わされ、善良な人々の生活は尚も脅かされ続けている。 更なる災いを招くことを怖れて行動を起こせないでいる叔父を、何とかしようと説得する世玉。

「志ある者に困難などありません。怖れるべくは己の弱さです。」
そして敵の屋敷に乗り込むと言いだした世玉。

「いかん、腕の立つ用心棒が4人もいるぞ。1人で行くのは危険すぎる。」
「叔父さん、方世玉がやると言ったら不可能はないんです!」
よっ、シビレるねぇ~方世玉!!

早速、下男として屋敷に潜入、侍女の秋菊に連れられてお嬢様のもとへ出向いた世玉だが、率直な性格ゆえ.....
「お嬢様、新しく来た召使いです。」
「詩ですか、下手くそですねぇ。」

そう言って即興で新しい詩を詠んで見せた世玉がただ者でないことを、この時お嬢様は見抜いていた。

「私の前で本心を言ったのはあなたが初めてよ。お友達になって。」

屋敷の中には、秘かに世玉を助ける影があった。 かつて叔父に命を救われた者が、恩返しとして悪名高いツァオのもとに雇われ人として潜り込んでいたのだ。

全てが計画通りかと思われた矢先、何とライバル、カオが用心棒として乗り込んできた。 勿論、お目当ては方世玉...

「お前はそれでも男か、この腰抜け、俺と闘ってみろ!」
侮辱の限りを尽くすカオだが、そんな誘いに乗る世玉ではない。

そんな折、世玉は思いがけぬ人物と出会った。 かつての結婚式で世玉に打ちのめされ、その為に富豪からも追い出されてこの屋敷へ流れて来た男、ハン。
「こいつ、誰かに似てるぜ..... でもまさか!」

方世玉の名を口にしてしまった彼は、あわれ第一の犠牲者となった。

この殺しを叔父の仕業と察したツァオは一人目の刺客、モンゴリアンを送り出した。 迎え撃つ若い衆を皆殺しにしようとするモンゴリアン、だがその前に立ちはだかる者があった。 手下をシバキ倒し、振り向いたその男は.....

「何だ、召使いか、何をしに来た」
どっこい、彼は泣く子も黙る方世玉。

「ちくしょう、犯人はお前だったのか」
「あんた体は立派だけど、アタマも空じゃないんだな」
ジャンジャジャーン
必ず一撃で敵をしとめるという斧の達人に二本目の斧を投げさせるのは世玉か.....?!
背中合わせにかまえた二人。 世玉の剣よりも先に飛んで来たのはモンゴリアンの斧、だが世玉の胸は金属でがっちりガードされていた。 やるぅ~一休さん!

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第1頁 扇の間