Enter The Whirlwind Boxer
旋風方世玉 第三頁
こうして用心棒達を一人一人片づけ、着実にツァオに近付いていく世玉。
下男に化けた彼を疑う者はいない.....
だが、世玉の秘密を握っているカオの挑戦をいつまでも拒み続ける事はできなかった。
ある日、ついに対決した二人は、長い格闘の末に引き分け、互いを認め合った。
が、友達になろうとする世玉にカオは応じない。

「友達を持つと早死にするしな、お前の為には死にたかないぜ!」
一方、次々に手下が殺されて行く中、為すすべもないまま苛立ちをつのらせるツァオ一味。
疑いはついにカオに向けられた。
「内部の事情に詳しく、武の立つ者の仕業だ。
.....タイミングと言い、お前しかいない!」
だが、彼には確固としたアリバイがあった。
そして最後の用心棒との対決.....
"若年寄り"は修行のロウソクの間で待ち受けていた。
「大した腕前と度胸じゃの、
この部屋でわしを負かせる者はおらんというのに。
何故危険を冒すのだ、勝利を確信しておるのか?」
「確信なんかじゃない、俺には勝つしかないからだ!」
またまたシビれるセリフを吐きつつ、"若年寄り"を倒した世玉。
だが、この時ツァオに襲われ、犯人の目印となる傷を負ってしまった。
窮地に立った世玉の前に叔父のスパイが現れた。
何と、ツァオに十年も仕えている執事であった。
彼は屋敷の男達の夜食に眠り薬を混ぜ、全員に世玉と全く同じ傷をつけて判別不能にしたのである、でかしたアリババ!
だが彼自身は世玉の秘密を守る為に自害してしまった...
一方、何も知らずに、連日の事件に怯えるお嬢様...
次はお嬢様のオヤジを殺らねばならない世玉であった。
或いは、死ぬのは自分の方かも知れない.....
「許して下さい、私のこれからする事がお嬢さんを傷つける事になったとしたら」
「待って、それはどういう意味なの?」
かくも残酷なるは運命かな、べべべん
お嬢様がこのことを憂いて父親に相談した為、全て世玉の仕業であった事が判ってしまった。
しかし、世玉の方にも既に準備はできていた...
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