Enter The Whirlwind Boxer
旋風方世玉 第五頁
ツァオの二本のナイフが世玉を血祭りにあげようとしたその時----!
お嬢様の悲鳴が響いた。
侍女の秋菊がお嬢様の首に剣を突き刺したのだ。
ツァオがすかさず投げたナイフに倒れる秋菊。
「私も叔父様に命を助けられて、ここに..........ガクッ」
.....叔父の人助けはとどまる所を知らないようだ。
だが狙った獲物は決して逃さないツァオの執拗な攻撃は、尚も世玉を追い詰める。
そして.....
「やめろ、カオ!」
傷を負ったカオが、世玉の前に飛び出した。
残るもう一本の凶器を体で奪い、崩れ落ちる.....
最後の力を振り絞り、世玉が跳んだ。
丸腰になったツァオの一瞬の隙をついた目潰し攻撃!!

悲鳴と共に父親のもとに駆け寄ろうとするものの、
力尽きて倒れるお嬢様.....

扉を破ってなだれ込んだ叔父と仲間達がツァオにトドメを刺し、残りの手下どもを一気に片付けた。
正義は多くの犠牲の上に貫かれた。
カオを巻き添えにしたことを悔やむ世玉。
「友なんかいらないと言ったお前が正しかった。
命を賭けさせる位なら.....
でも友達のいない人生なんて、
一体何の意味があるというんだ?」
世玉の苦悩をよそに、闘いの終焉を和やかな音楽が包みつつ.....
- 劇 終 -
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