EUNUCH OF THE WESTERN PALACE
白馬素車勾魂幡 - 第二頁

あらゆる手を尽くして妨害しようとする宦官ホン。四人の行く手はどこもかしこも宦官ホンの密偵だらけであった。

二刀流の達人クーもまた追い詰められ、敵は倒したものの致命傷を負わされてしまった。

前後不覚に陥り、道に倒れて動けなくなるクー。 彼を発見した村人は、礼金に目がくらんでに宦官に通報してしまう。危うく密文を奪われかけるが.....

危機一髪の所でクーを救い、密文を守ってくれたこの男。同行して女達に会った彼は、祖国の為に共に戦いたいと申し出る。

が、互いの素性も知らされず、完全に信用し合うことすらできない彼等に、行きずりの他人が簡単に受け入れられる筈は無かった。命を救われたクーですら、仲間に入れることは躊躇している様子であった.....

翌日、何とか彼等の任務に同行した男.....
忠実な愛国者を装っていた男は突然正体を現し、クーを裏切り者に仕立て上げて逃走する。

まんまとワナにはめられてしまったクーは、女達のアブナイ武器の餌食になりかけるが、すんでのところでライが現れる。仲間割れをしている場合ではないと説き伏せられ、彼等は再び道を急ぐ。

だが四人の行く手に立ちはだかったのはあのナゾの男、ホウであった。力ずくで通ろうとするが、到底歯の立つ相手では無い。

ホウは昔、宦官ホンに命を救われ、一度だけどんな願いでも聞くと約束してしまったのだ。四人を引き留めるよう命じられた今、約束を違える事は義理堅い彼のプライドが許さない。

戦えば四人の命は無い。だが正しい目的の為には死んでも悔いはないと語るライの言葉に、己の祖国を思う気持ちの強さに気付いた彼は、「生きている内は誰も通さない」というホンとの約束を守る為に自害する。

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第1頁 扇の間