EUNUCH OF THE WESTERN PALACE
白馬素車勾魂幡 - 第三頁
約束を果たしたホウの死に様を伝える為、宦官ホンの館に単身乗り込んだライを、焚き火に当たりながら待ち受けるホン.....
「お前は悪事ばかり働いてきたが、一つだけ正しい事をした。ホウを味方にした事だ。彼は男の中の男だ。命に代えて約束を守ったぞ」
眉を少しひそめたかと思うとゆっくりと立ち上がり、戦闘態勢に入ったホンの手下達が、たちまちライを取り囲んだ。
ピンチに陥ったライの前に現れたのはクー、
「一人じゃ寂しいかなってナ」
二本刀でザクザク敵を切り、自分を陥れたあの男の息の根も止めた。
一方ライは、ジャンジャンとやたらやかましい僧兵の武器をいとも簡単に封じ、いよいよ宦官ホンとの一騎打ち。かつてナゾの男の危機を救ったというだけあって、ホンの腕前はかなりのものである。
一進一退、両者譲らぬまま
跳び上がり、宙で刺し違えた.....!
一瞬の沈黙の後、ゆっくりと雪の上に崩れ落ちる宦官ホン
動かぬライ.....
凍てつくような数秒が流れた。
最後の一人を片付けて駆け寄るクー.....
だがライの振り返る気配は無い。
宦官ホンの野望を打ち砕くこと....
その任務は今、果たされた。
呼びかけても応えぬ彼が既に息絶えている事を悟ったクーは、雪の降りしきる中、何処へともなく立ち去って行くのであった。
<前頁 * 第3頁>