孟飛映画 ボートクレビュ~ッ

メン・フェイ様出演映画の御紹介~殆どが入手困難という時期に書いたので基本的にネタバレです。
(見たつもり映画館 にあるものは、一つ目の画像をクリックすると行けます。)
別名なども確認済みで、出所が御本人のものもありますので、正確さでは世界一でしょ~ふふふ。
撮影地に関しては判明した場所のみ掲載しております。タレコミ大歓迎♪
ロケ地巡礼コーナーも合わせて御覧アレ~
小拳王 1972 The King Boxer
(タイのポスター)The King of Boxers
(同名異作あり)King Boxers
  • หมัดสังหาร(タイ語)
  • 武術指導劉家榮,黄培基 導演&編劇貢敏 監製杜桐蓀,張英 製片楊易木
  • 孟飛趙璧城, 李琳琳, 劉江忠義武館の師範, Nard Poowanaiタイシャンムエタイボクサー, 倉田保昭渡邊武夫, 王青, 劉蘭英Pawana Chanajitタイシャンの女友達, 黃培基, 黃哈, 李超, 徐蝦, 黃梅, 劉家榮タイのごろつき, 孫嵐, 陳狄克, 任世官, 山怪, 周潤堅, 袁信義, 鄧德祥, 黃樹棠, 袁振洋, 劉俊輝, 戚毅雄, 徐發, 李恆, 董財寶, 李允武, 譚寶, 岑潛波, 羅強, 伍元勳, 何寶星, 林源, 陳少佳, 黎恩, 張志平, 馮俠蘇, 楊柏塵, 袁成就
  • タイスリン Si Narong Stadium象祭り, チエンマイ Wat Phrathat Doi Suthep 冒頭の観光地, Nakornping Stadiumムエタイ会場(実在のものか否かは不明), Wat Mahawan & Wat Chetawanムエタイ観戦後に通過, サムットプラカン Wat Phra Samut Chedi より百メートル前後北北東 / バンコク Wat Benjamabophit大理石寺院(映るだけ)タイシャンの家, ナコンパトム Phra Pathom Chedi帰国前に参拝(片岡同学に感謝~~~必殺技を初披露する寺院のおタレコミ歓迎)
    香港撮影所忠義武館(台湾)

お話 Meng Fei メン・フェイin小拳王 The King Boxer タイ旅行中の趙璧城(孟飛)は知り合いの女性(Pawana Chanajit)に紹介されムエタイボクサー、タイシャンと知り合う。 試合後、八百長を拒否し大損をさせたと悪党がタイシャンに襲い掛かるが、助太刀をして無敵の鐵沙掌を披露した趙。 それは、素手で大木をも裂くという、日常では使えない必殺ワザ。 彼は、台湾で忠義武館という道場を営む「小拳王」だったのだ!

タイシャンは趙に教えを請い、砂に手を突っ込みまくるという、当時流行っていたらしい修行で鐵沙掌を会得する。 一方、趙の評判を聞き、館長不在の忠義武館に殴り込んだ日本人武術家、渡邊武夫(倉田保昭)は、美しい姉(李琳琳)に一目惚れし、国に連れて帰ろうともくろみ始めた。 しかし、再び忠義武館を訪れた渡邊を迎え討ったのは、帰国した趙であった。 必殺ワザ、鐵沙掌を腹に食らいそうになった渡邊であるが、姉の情けで一命を取り留め、後日、仲直りの印にと宴を設け、趙を呼び出す。 周囲が止めるのも聞かずに1人で出掛けた趙は、腹を斬り付けられた上、数十人に襲われ惨殺されてしまう。 死体を道場に届けに来た渡邊の使者は、趙が酔って暴れ始めたのだと言い訳をする。 とても信じられる話ではないが、館長亡き今、渡邊達に立ち向かう術は無い…

一足遅れて、趙がタイで買った象牙を届けにやって来たタイシャン達。 彼らが再会したのは、友、趙の遺影であった。 尻込みしていた一同はタイシャンに説き伏せられ、霊前に姿を現した渡邊達に一斉に攻撃を仕掛ける。 ヌンチャクを操る渡邊に追い詰められたタイシャンだが、師匠の遺影を前に渾身の力で振り返り、渡邊のハラワタをえぐり出した…! 逃げようとした渡邊の使者は、趙の姉が刺し殺した。 かくして復讐は果たされた… が、見渡せば双方、傷付いた数人を残し、尽く息絶えていた。

そして姉は2人と共にタイへと旅立ち、新しい人生を歩む決心をするのであった……

Meng Fei メン・フェイin小拳王 The King Boxer 見所 まずは住職、初めて観た折、孟飛城主の普通の髪型を見慣れておらず、「主役なのに途中で死ぬ」という半端さ、そして何よりも惨殺シーンの残酷さに耐えられず、レビューの為の画像を取ったきり、15年ほど、まともに観ておらなんだ事を懺悔しようと思う、ポクポクアーメン。 「これを立ち回りと呼んでいいのだろうか」という感想を正直に書いており、まぁ、それは今でも変わらない… が、しかし!
諸事情を知った今、香港映画界、そして孟飛という不世出のスターを語る上で、この作品が如何に重要であったかに、ロケ地の検証の為に映像を見直していて気付いたので、今更ではあるが、住職なりに理解した事を書き留めておこうと思う。 御存知の事も、そうでない事もあるかと思うので、何かあればどうかご遠慮なく、おタレコミ頂きたい。

本作が「香港映画史上に於いてヌンチャクが初めて使用された作品」である、というのは、まぁ倉田氏のファンがあちこちで書いているだろうからサラッとなでるに留めるとして、制作側が用意した最大の見せ場は、やはり孟飛城主の殺されっぷりであろう。 いや、もうそれだけ、と言い切ってしまってもいい位だ。
少年のあどけなさを残した容姿端麗、でも脱ぐと結構スゴイのよ… な19歳の新星が、爽やかな笑顔で登場し女性陣の心をワシヅカミにしておいて、敵陣に単独で乗り込むという男っぷりに更に萌えさせたかと思えば、無惨に血に染められて行くというS心にも大サービス、これはもう、ある人物の策略以外の何物でもない。 ある人物とは… 言わずと知れた大監督、張徹である。

倉田保昭扮するドスケベ日本人の渡邊は、孟飛城主を油断させる為、酒を飲ませた上、金で雇った三味線弾きに不意打ちで襲わせる。 美形武術家が腹を刺された所から始まるこの乱闘は、最初から出血大サービスなのだ。 すぐに上着を脱いで腰に巻いた様は、殿のお戯れにくるくると舞う無垢なお女中にも似て、その帯はみるみる血で染められて行く。 この発想のエロさには、常人はちょっと付いて行けない。
階段は転げ落ちるわ、並んだ椅子に順に座りながら敵どもを蹴散らして行くわ、この不利な状況に於いて、何十人もの男達が刃物を持って向かって来るというのに、苦しみながらも美しく応戦し、一向に負ける気配が無い。 そんな様子に業を煮やした渡邊が、2階から飛び降り様にヌンチャクを押し付け、トドメを刺すのだ。

お気付きだろうか、この残虐なシーンに於いて、最初から最後まで孟飛城主、誰にも「やられていない」。 唯一、闘いの素人を装った音楽家に気を許し、刺されたのだが、これは城主の武術家としての大きさと敵の卑劣さの対比を際立たせたに過ぎない。 渡邊の武器としてのヌンチャクすら食らっていない。 むしろ、負けなかったからこうなったのだ。 ただただ、真正面から全てに向かう姿勢を貫いただけである… 何と見事な脚本であろう。 住職、個人的には流血は嫌いであるが。

孟飛初期作品には、既に腰のバネと鋭い見得が見られる。 御自身は、アクションの見せ方の基礎は劉家良から学んだと仰っているが、氏の指導と思われる華やかさとは又、違った、死をも見据えた様な厳しい表情は、張徹が与えたものではないだろうか。 それらが見事に融合し、後の艶やかさと緊張感というメリハリの効いたアクションが生まれたのでは、と推測する住職である。

Meng Fei メン・フェイin小拳王 The King Boxer
どう見てもアノ人の仕業
張徹は、ショウブラザーズとの契約の縛りでクレジットこそされていないが、常に現場にいて指導していたという。 (何故かデビッド・チャンも常にいたらしい… いや何故かではなくて、後に嫁となるリンリンに会う為に決まっておるが。) 南海影業を立ち上げたのは張英であるが、張徹夫妻はその株主でもあり、経営にも大きく関わっていた。 監督もやりたがっていたというし、張英もやらせたかったのだろう。 彼らには脱・ショウブラという目標があった。 それには、ショウブラ専属でないスター俳優が必要だったのだ。

香港映画界に革命を起こすべく、第一作より新人を発掘し、日本からやって来た二枚目悪役、倉田氏、そして太っ腹にもタイからは男女スターの起用と、最初から世界を見据えていた。 それ故の、「半端」にも思える途中での主役バトンタッチなのである。 死んだとは言っても、孟飛城主は回想の中で、また少しお父さんっぽい写りの遺影として、最後までちゃんとスクリーンに映り続けているのだ。 ビデオ時代なればこそ、同じ映像ではないかというツッコミもあろうが、劇場のみの当時としては、それで充分だったのだ。 72年3月公開の本作だが、前年の10月の新人起用決定より新聞でプロモーション開始、「歡樂今宵」に出演したとの記録もあったと思う。

好評を得たリンリンとのコンビはこの後も続くが、3作目を撮り終えた後、3年契約を結んだ筈の主役の孟飛城主が捕まらないという不測の事態に見舞われ、張英らは頭を抱える事となる。 結局、主役クラスのスターはショウブラから借りなければならず、「脱・ショウブラ」の夢が潰えたと言うが、孟飛城主が姿を消さなかったら、香港映画界はどうなっていたのであろうか??? ブルース・リーやマイケル・ホイといった金の卵をみすみす見逃すという大失態により、ゴールデン・ハーベストの台頭を許してしまったショウブラであったが、その大事な時期だけに、過ぎた話ではあるが、妄想の尽きない「もしも」である。
本作は特にフィリピンで大ヒットし、孟飛さまと倉田氏が一躍、アイドルとなった事は知られている通りである。

補足情報 英題は羅烈の主演作と紛らわしい。髪型が似ているので写真も判りにくいかも。更に、孟飛自身の「Shaolin King Boxer」とも全く違うのでご注意を。

出品/南海有限公司 香港公開 1972年3月10-17日 台湾公開 1972年4月29日 (イタリア版 90分)

方世玉 1972 Prodigal Boxer
(Kung Fu) Kick of Death
(Kung Fu) The Punch of Death
  • 武術指導劉家榮,黄培基 導演蔡陽名 原著&編劇倪匡 監製張英 製片龔金昇 攝影趙榮勝 服裝張奇
  • 孟飛方世玉, 白虹苗翠花, 司馬華龍方德, 李琳琳小翩, 王青簡鐵拳, 倉田保昭譚飛脚, 董財寶雷千總雷老虎, 孫嵐林三鎖, 馮克安友達, 陳承國友達, 黄培基, 王月汀賬房, 張力麥元, 齊琳麥老爺, 李超俊友達, 袁振洋袁振洋友達, 陳狄克, 袁信義, 林源, 劉家榮拳脚無雙の弟子, 譚寶, 羅強, 伍元勳, 何寶星, 徐蝦, 楊柏塵, 王將, 陳少佳, 任世官, 黃梅, 陳國權, 袁祥仁, 黃哈, 黃樹棠, 徐發, 劉俊輝, 黃志強, 戚毅雄, 盧慧, 陳強, 袁成就, 李超, 何其昌, 金天柱, 何雲, 周潤堅
  • 香港-北區大石磨,馬草壟, 上水河上鄉-洪聖古廟&排峰古廟拳脚無雙道場の前, 荃灣上城門水塘

メン・フェイin方世玉




お話 主人公、方世玉を演じる孟飛は当時、20歳になるかならないかの初々しい少年。 不正を憎み、腕の立つ世玉は、譚飛脚(倉田保昭)と簡鐵拳(王青)の道場「拳脚無雙」の門弟と喧嘩になり、怪我をさせた。 道場主2人は、これを口実に世玉の家を襲った。 彼らは、裏では強盗まがいの殺しまでやっている悪党であった。
その頃、世玉は、旅の母娘を襲ったという強盗達から金を取り戻して返しに行ったが、一足遅く、母親の方は既に自殺した後だった。 世玉は娘(李琳琳)に、自分の母親を訪ねて葬式を出して貰えばいいと言い残して去るが、世玉が帰宅すると父親が殺されていた。
復讐を誓う世玉だが、母親は、自分ですら太刀打ち出来なかった相手のもとに行かせる訳には行かない。 家の者には仇の名を伏せるように言い付け、世玉を1年間修行するように説得し、2人で家を後にする。

血気盛んな世玉はじっとしていられず、仇の名を訊き出し、時期を待たずに道場に乗り込んで殺されかけるが、すんでの所で命拾いをする。 一方、世玉を訪ねて行ったものの、会えなかった娘は、偶然にも道場に雇われており、そこで世玉の母親に出逢い、彼らを自分の家に住まわせる。 傷から回復し、尚も復讐に燃える世玉であったが、「背後からいきなり丸太でドつく」という無茶修行に限界に達してしまう…
メン・フェイin方世玉 「じゃあ、母さんには出来るのか?」
「私に出来たら、父さんを守れたわ…」
「もう沢山だ!」

気晴らしに世玉を町に連れ出す娘。 だが運悪く、道場の連中の悪事を目にし、懲らしめた勢いで仇の2人のもとに向かい、又もや半殺しにされる。 薬草風呂で復活し、ようやく復讐を果たす力を身に付けた世玉は、罪にならないよう、公正な果たし合いで決着を付ける。 当然、娘は元気で一途な世玉にすっかり❤の字である、わはははは…… 判るわん♪

メン・フェイin方世玉






見所 まだまだアクション自体がバラバラの孟飛ちゃんにボロカスの評も多いが、冷静に観察すれば、既に眩い光を放っているのを見逃しては素人! 私ならけなすどころか、急いでスカウトするぞ!

普通に見れば血生臭い筈なのだが、何だこの爽やかさ、大らかさ… 青春映画だね。 正に少年のストレートな演技で若き方世玉の無邪気さを醸し出している孟飛さま、憂いに満ちた表情で息子に無茶修行をさせるお母さん、共演女優の中では最もキュートと思われる李琳琳と、香港映画に欠けがちな主要キャスト陣のルックスの良さも申し分無い。 しかし孟飛ちゃん、よく坂を転げ落ちる人だなー。 全く関係の無いシーンで、中国語の歌がう~っすら聞こえるけれど、気にしない。 丸太修行は、結局、避けるのではなく、体で「受ける」という方法でクリア。 いや、意味は判りますよ。 でも欧米人が見たら誤解するんだって。 いつもは勿体を付けて途中から登場する主役、という感じの孟飛だが、珍しくワンカット目からいる。 コオロギの決闘に興じている顔が仲間達の隙間から覗いていて、殆ど目だけで芝居をしている。 通常の芝居に於いても見られる、ハリウッド女優のような視線遣いは、この頃、既に身に付けているようだ。 泣きそーアクションも。 しかし、、、 死にかけた顔の色っぺー人だなもー!

補足情報孟飛方世玉、ここに誕生~~~!パンパパンパンパンパンパンパ~~~~~ン♪ ルックスは言うに及ばず、鋭い視線と腰のバネには、滅多に無い逸材の予感。気付いて起用したアナタはエライ!タレコミ寺感謝状に載せたい位の偉業ですっ! アクションは「どっこいしょ」だが、言われた事を忠実にやろうとしているのがよく判る。 見得の素晴らしさは勿論、キメでビタッと止まりなさい、等々… どうやったら動作が大きくなるかなど、相当、研究したに違いない。 それらは後の方世玉で見事、大成するのである。 あぁ、感動…! 日本語版は、例によって人間関係や経緯が少し違っているかも知れない。 ちなみに「方世玉」は架空のヒーローとのタレコミが寺には早くから寄せられており、今では wiki にも書いてある。 原題も同名や似たものが多いし、これも英題は羅烈の出ているのによく似たのが多い。

外部資料 醒龍さんの「電影フリークス」によると、台湾の資料に同じキャストで方世玉打雷台という76年作品が載っているそうだが、最後に勝負をする場所が「雷台」と呼ばれる決闘場である事より、方世玉と同一作品の再映かそれに準ずるものであると見てよいと思う… な~んてエラソーに書いてみる。 (リンクは旋風方世玉のレビューをご覧アレ)
(※孟飛さまが台湾のファンと一緒にボートクリスト補足して下さった際に「打雷台」の方が書かれていたので、台湾での公開はそちらだったのだろう。)

当時の新聞(華僑日報)によると、4月29日クランクイン。

御本人情報 孟飛さま御本人によると、2作目。 あまりの乗馬姿の美しさに、香港に渡る前から乗馬はお出来になったのかとの住職の質問に、「本作の撮影で初めて馬に乗った時に落っこちたんで、練習して上手くなろうと決心したんだ」とのお答え。 感動!!!!! クラクラの実況及び詳細は
タレコミ寺内記事をどうぞ。

御本人情報2 2013年、やり取り中にいきなり出ました、孟飛城主は「映画がカラーになってから初めて方世玉を演じた俳優」との事!
住職はフー・シェンの方が先だと思っていたのだが、2番目なのだ。 孟飛城主を「方世玉哥哥」と呼んでいて、とても仲が良かったそうな。 何か書いててジンと来た住職… やり取り詳細は又もやタレコミ寺内記事でどうぞ。

製作/香港 香港公開 1972年9月27日~10月5日 台湾公開 1972年9月28日 日本公開 1974年4月27日

小老虎
難逃法網
1973 (同名異作あり)The Young Tiger
  • 武術指導劉家榮,黄培基 導演午馬 副導演魯江 編劇倪匡 監製張英 製片龔金昇,潘耀坤 攝影陳朝鏞 服裝何坤 化妝黎兆華
  • 孟飛沈新, 陳燕燕, 李琳琳譚芳彼女, 馮淬帆高大良, 石天陳之龍道場破り, 林璣美麗お色気担当モデル, 黃新警官, 黃培基華德, 劉家榮泰拳高手, 火星野人, 蘇祥富商, 午馬經理, 邵漢生國術舘長, 李超李釗空手道高手, 黃梅國術高手, 潘耀坤, 趙路江趙鷺江, 陳承國, 馮克安, 譚錦華, 楊雄, 羅強, 黃樹棠, 何保星
  • 香港-九龍塘金巴倫道沈新襲撃シーン, 廣播道-龍翔苑35座譚芳の家, 海底隧道料金所トンネル出口, 沙田馬場周辺石天襲撃,カーアクション等の工事現場, 尖沙咀中間道-多層停車場の屋上ラスト対決, 香港島海底隧道入口トンネル入口

孟飛in小老虎 お話 殺人の汚名を着せられた警官が、脱走して犯罪組織を潰す… と10年前に書いたんだけど、今、見たら警官じゃないやん! ジャッキー・チェンがちょい役で出ている方の Young Tiger の原題が「女警察」だから、思い込みがあったのかも。キャプチャまでしておきながら、本編は1回しか見た記憶が無いなぁ。 確かカナダの功夫映画マニアとトレードしたんだけど(当時レア映画を見るっつったら殆どそういう方法しか無かったのじゃ)、ラストがぶちっと切れていたのだ。で、10年を経て見たその続きとは…?! その1秒後にストップモーションで「The End」だった、わはは。英語版ならフツーに見られる2011年の今日です、ハイ。孟飛マニアは1回見ときましょう、試験に出ますから。

見所 いきなり「移民の歌」で始まるこの大胆さは香港映画の王道を行く。そしてファッションショーのBGMが Janis Joplin の Move Over ですもの。 フツ~の頭した孟飛ちゃんは丸で中学生だが、やたらとスタイルがいい。 方世玉を見慣れた我々には、一般人孟飛さまに違和感バリバリなのだが、現代モノ70年代フィリピン仕様の孟飛ちゃんは結構、色っぽいぞ♪ 見得が凄い人だから(アクション以外の芝居でも見得を切る)、髪が都度、揺れるのだ。 その頃になると、タテがどうとか、カラミ(やられる人達)がとか関係なく、自分で自分を見せる技術を身に付けているのだが、本作ではまだそこまでは行っておらず、メリハリの無いタテが素直にダルい。 大袈裟な芝居も、大袈裟にしか見えない… あっ、いかん、もっとヨイショを!(汗) ゴロゴロ転げ落ちたりたり、ずりずり引きずられたり、体を張って頑張ってはおられるのだが… 悪者のお色気作戦にはまった上司が恥ずかしい写真をネタに揺すられ… という中途半端なスケベ付き。おっと、誘惑する女が Mr. Boo!シリーズの女テレビ局長ではないのか?! …な~んて書くと面白そうかもしれないが、結構つまんない映画だったりする。 色んな人が"こんなトコロに"状態で出演してはいるけれど。

ファッションモデルのガールフレンドは李琳琳、少女漫画の主人公のように可愛くて表情もいいが、静止画にするとどうってことない(まるでダイアン・レインだなー)。 主役陣はあくまで爽やかで、ほんっとに何も無い泊めて貰った次の朝、ガールフレンドの顔を下からじーーーっと見つめ、ドキドキする彼女に
「何で前髪だけ白髪になってんの?」
「やーね、メッシュよ!」
…だって、どっひゃっひゃっひゃ♪ 私も染めるから何か言って下さいっ!

Meng Fei in The Young Tiger
崖っぷち!
ジャッキー・チェンのいじめ役&バカ殿でお馴染みの石天が、ホントのちょい役で登場し、特にお笑いと言う程のお笑いも無く殺される。 話がつまんないので、「見たつもり映画館」ではなく「こんなトコロに写真館」の石天コーナーでご紹介しております。

補足情報 デビュー時に専属契約を結んだ南海影業での3作目。 撮影終了後、張英は李琳琳とのコンビで続けて4作目の撮影の手筈を整えていたのだが、2作連続のヒットで外部からの声が掛かる様になった孟飛さま、フィリピンで他の映画会社の作品の撮影を始めてしまった。 フィリピンに於いては南海影業との契約が効力を発揮せず、張英はこれによる損失に頭を抱えたとか。(華僑日報 1973年8月29日)

本作は、既に書いた通りジャッキー・チェンの「女警察」と英題が同じで、2つを同一作品と勘違いしている人が多い。 カバー写真が孟飛さまだからって安心してはいけない様で、全く無関係の僧侶の絵だったらアタリみたいだ(も~意味わかんね~)。 住職は予告を除けば英語版しか見た事が無い(役名は香港電影資料館より)。

製作/香港 南海影業公司 香港公開 1973年9月6日 台湾公開 1973年9月20日

出乎意料 1974 April Fool
  • 導演午馬 編劇石天 監製午馬 出品人陳世明 製片梁榮 副導陳斯泉
  • 午馬イーチャオ, 石天ターロン, 丁珮ダレンディー, 夢娜モナ, 孟飛飛仔, 于洋アチャオ, 沈殿霞淚盈盈, 葛小寶淚盈盈の夫, 郭竹卿, 呉家驤, 王琛, 馬劍棠, 郝履仁
  • マカオ葡京酒店→Casino Lisboa 西入り口カジノ, 香港-尖沙咀中間道-漢口中心近辺環球銀行, 碧仙桃路ダレンディーが客待ちをする店がある設定, 九龍塘金巴倫道-律倫道飛仔犯行現場~逮捕

孟飛in小老虎 お話 クビの危機に陥った売れない役者、イーチャオ(午馬)とターロン(石天)の悪戦苦闘の日々を描いたコメディ(新聞の文字が不明瞭で失業の原因はよく判らない)。
まずは会社にギャラを取りに行き、それを元手にギャンブルに走る。 ターロンのツキで勝ちまくったチップを、イーチャオは高額チップに両替しカジノを出ようと言う。 2人は工場でアルバイトをしてチップを大量に偽造、意気揚々とカジノに戻ったが、チップは不正防止の為に一定時間毎に変えられており、彼らのチップは既にゴミであった。
次に公園から赤ん坊を連れ去るが、大泣きされ困り果てる。 母親は泣き芸専門の売れっ子タレント、淚盈盈(沈殿霞)。 警察に通報して売名行為と噂されるのを厭がり、「子供を見掛けた人は公園へ」と新聞に広告を打つ。 2人はそれを見て、怪しまれない様、同居の落ち目女優タレンディー(丁珮)に赤ん坊を託す。

2人は続いて、愛犬のモナを使って貴金属店で盗みを働こうとするが、犬の調教も失敗、ふと見た新聞には、強盗が射殺された記事が… 諦めてトボトボ歩いている2人の前に、警備員のいない貴金属店が! これはチャンスと商品棚を叩き割ろうとすると、それは防犯ガラスで、破壊出来た人には中の貴金属を進呈、というプロモーションであった。
3人とは対照的に、街で見掛けた羽振りの良さそうな役者仲間の飛仔(孟飛) …と思ったらロケで、車泥棒役で警官役のアチャオ(于洋)に逮捕されるシーンの撮影中だった… と思ったら、芝居ではなかった。 2人とも、仕事が無く転職したのだ。

真面目に働くべきだと言うダレンディーのアイデアで、ターロンとイーチャオは夜の繁華街に立つ。 バーで待つダレンディーの元に客を引いて来るのだ(どこが真面目か)。 外国人客に声を掛けたが英語が出来ず、映画で覚えた台詞を適当に並べていたら誤解され、ターロンが気に入られてしまった。
他のアルバイトも次々にクビになり、2人は又もや、良からぬ考えを起こす。 ターゲットの環球銀行を観察した結果、金を運んで来るのが毎日、3時半きっかりと確認し、吉日を選び行動を起こすが、銀行は移転、金の運搬人だと思った人は建物の模様替えの為に通っている技師だった。
3人は再び映画の仕事を得るが、芽が出る見込みは無く、ワーキングプア脱出の道は遠い。 そこで、3人が自分達を主役に書いた台本、「出乎意料」。 そんなの誰が観るのかと訊かれ… 和やかに劇終~

見所 コメディと言っても、現代人が見て爆笑する様なものではない。 後の午馬監督作品の「醉八仙拳」の様なやりたい邦題のドタバタでもなく、正統に台詞や芝居で笑わせようという真面目さが覗える。 本作は何月だか判らないが、喜劇王、マイケルが初監督コメディ「鬼馬雙星」を持って降臨するのが同年の10月だから、世間はこんなものかも知れない。 このノリはこの頃の流行なのだろう、サミュエル・ホイの主演作、特に主人公の人間性がロクでもない所などは、同年7月公開の「綽頭狀元」にそっくりで、車泥棒がバレた孟飛さまの芝居にも多分にサミュエルっぽさを感じるのだ… ルックス的にも被るので、わざとという感じがしないでも無い。

孟飛さまはデビュー時より南海影業との3年契約があったものの、前述の通り、3作目「小老虎」の後、一度、香港から姿を消してしまわれた。 後の香港のアクション復帰までに2作の非アクション作品に出演した、との情報があるので、その1つかと思われる。
孟飛さま御自身はアクションありだが、于洋との掛け合いの為、孟飛さまの所が端っこで切れているシーンが多く、非常に勿体ない。 「飛仔」とそのままの名でゲスト出演という事になっており、ほんの数分だが、キュートさ還元濃縮で耳が隠れたお姫様カットも可愛らしいし、ファッションも変じゃない。 これだけでも、観た甲斐があったというものだ。 ゲストと言わずに現代モノはずっとこれで良かったのになぁ~~~~~
住職は香港の図書館にポスターと映像があるという情報は得ておったが、まさか日本に居ながらにして観る機会があるとは思わなんだ。
電影フリークスの醒龍さんに深く感謝である、近江の豆腐~♪

映画に登場する香港の店は現在では殆ど閉店になっている様だが、住職はマカオも行っているし、香港もあちこちうろ付いているので、横を通っている可能性がかなり高い。 しかし、記憶も写真も無く残念無念! 香港は住職が知っている頃からしてもかなり変わってしまっている様で、現在と比較してロケ地を特定するのは難しい場所が多そうである。 石天が犬のモナに見せる地図も、埋め立てまくられた現在とは形が全然違うのでビックリだ。

出品/環球電影有限公司(香港), 製作/環球電影有限公司 公開 1974年

神探小旋風 1974 Wild Whirlwind
(フィリピン)Twin Fist for Justice
  • 導演Danny Ochoa,楊世慶 監製張英 副導演李國強 武術指導小麒麟 編劇易大超美術指導張荘 撮影何漢威 製片潘耀坤 剪接蕭南
  • 孟飛, 威娜Vilma Santos, 傅偉烈Philip Gamboa?, 胡家美白小曼, 戴彼得, 梁伯鎮, 李國強, 戴尊尼, 潘友梅, 施曼曼, 林昆, 戴文浩, 馮全, 鄭玄宗, 彭又坤
  • フィリピンサン・ファニーコ橋タイトルバックでブルースと従妹(レイテ方面へ)、ラストで孟飛と部下(サマール方面へ)が通過, Mandaue-Mactan Bridge(旧)上空を通ったブルースのセスナが爆発、女性救出後に橋の見える場所で格闘, セブ島 Beverly Hills, Taoist Temple

お話 孟飛メン・フェイin神探小旋風 Wild Whirlwind レビューによると孟飛さまは、死んだ悪党のボスについて調べる為、その妹(Vilma Santos)のところにやって来た捜査官で、彼女の従兄(Philip Gamboa)を逮捕しようとしているらしい。死んだ男は「ぶる~す!」と呼ばれているが、多分、西洋版だから中華系は誰でも「ブルース」なんだろう。 何か知らんが女の人が拷問されており、孟飛捜査官は同僚達と共に敵のアジトに潜入して彼女を助け出すのだが、その人はまた捕まって殺されていたのだ… すまんが住職の所有しているのは字幕無しのイタリア語版なので、絵本状態で細かい事はよく判らない。 幸いにもクレジットは中文である。 ところで、最初に「Bruce Li」何とかと出て来るのは一体、何???

見所 孟飛捜査官は12分辺り、いきなりグラサンで御登場。 頭ペッタンコでチンピラみたい、わはははは。 どうやら、敵の懐に忍び込む為の芝居の様だ。 「小老虎」と違って、キメがシャープで見得も決まっているので、アクションつまんなくてもカッコイイ。 ほんとに74年なの??? 捜査官の中でもリーダー的なポジションで、自信と決意に満ちた目にクラクラ、勿論、スマイルも鮮やかで、1つの台詞中にもくるくる変わる表情に、どのショットを採用しようかといつもながら迷ってしまう。 そして音楽が「燃えよドラゴン」?????
孟飛さま以外はおじさんが「ヤ~ッ!トォ~ッ!」という感じで殆どアクションになっていないが、孟飛さましか見てないアナタにはノープロブレム、頭ペッタンコじゃなければ満点だ… ラストバトル30分位は睨みまくりの髪なびきまくり、も~ストーリーなんかどーでもいいという事で満場一致の星3つ!★★★

補足情報 孟飛メン・フェイin神探小旋風 Wild Whirlwind 1973年というデータもある。 データベースでは「STORY by 楊世慶」ともなっている。
当初ヒロインの予定であった胡家美は、大陸とアメリカの混血で外見が良かった、という、当時の芸能人のパターンだが、台詞覚えが悪く外見以外に特技も無い為、チョイ役に回されたらしい(OPでぶる~すと一緒に車に乗っている女性)。
この後、香港で李翰祥にスカウトされ白小曼の名でショウブラスターとなるも、なかなか難しいものがあった様だ。 撮影時は17歳で、19歳で自殺。 香港で最初の自殺タレントと言われている。
変わりにヒロインとなった Vilma Santos は若い頃から人気があり、息長く活躍されている御様子。 この清楚な可愛らしさは、フィリピンのリンリンさんとお呼びしたい住職である…

Wild Whirlwindという英題から知野二郎さんが
超級龍熱 にポロリとお書きになっている神探小旋風が中文タイトルなのでは書いたところ、早速、samuanさまより、その通りであるとのタレコミがあり、以下の情報が! Twin Fist for Justiceはフィリピン公開のタイトルで、住職の観た版にはクレジットが無いがデータベースに記述のある Danny Ochoa はフィリピン側の監督だそうだ。 張英の南海影業と、フィリピン Bell Films による合作。

補足情報2 フィリピンで撮影されているものの、フィリピンで勝手に作ったものではなく、香港復帰後、張英の元できちんと製作されたものの様である。 孟飛城にて作品情報を得ているフィリピンものは、全てそうだと思う(もしくは途中で買い上げたとか)。

製作/フィリピン Bell Films, 南海影業公司 現像/東方彩色冲印有限公司 フィリピン公開 1974年5月17日

少林五祖 1974 Shaolin Five Masters
5 Masters Of Death
Five Shaolin Masters
5 Fighters From Shaolin(ウソかも)
  • 導演張徹 武術指導劉家良,劉家榮 副導演吳越凌 編劇倪匡 製片彭世偉,朱耕 攝影龔幕鐸宮木幸雄 攝影徐德利服裝李琪
  • 姜大衛胡德帝, 狄龍蔡徳忠, 孟飛方大洪, 傅聲馬超興, 戚冠軍李式開, 劉家輝, 江島陳文耀梁家仁鋁山, 馮克安張近秋, 蔡弘包玉龍, 王龍威馬復儀, 李振標, 盧迪, 唐炎燦, 葉天行, 林輝煌, 陳狄克, 陸劍明, 滕強美, 藤強英, 鄧德祥, 戚毅雄, 劉家榮, 黃樹棠, 黃哈, 徐發, 馬金谷, 曾志偉, 龍世家, 孫榮志, 余松照, 李強, 翁小虎, 金萬希, 關洪, 陳金海, 羅強, 應琪, 何寶星, 葛長生, 戴良, 何維雄, 陳森林, 章少君, 葉照旭, 崔立, 小黃龍, 張義貴
  • 台湾三水潭~黑龍潭冒頭&最終戦の川, 圓通禪寺少林寺, 石門寮野外戦, 紅花亭など, 唭哩岸山連天寨, 金瓜石連天寨からの帰り道, 溪頭修行の林, 濁水溪(西螺大橋)幅の広い川?, 台北中影文化城

孟飛メン・フェイin少林五祖
(美)
お話 話は史実として記録されているという、清朝による「少林寺焼き討ち」に始まる。 逃げ延びた5人の門弟達が、人々の信頼を取り戻しながら同志を集め、満州打倒の戦いに散って行く。 孟飛さま演じるは方大洪。 当時のショウブラザーズの花形スター総出演で繰り広げられる革命劇は蜂起の直前で終わる。 しかし、この乱は鎮圧されてしまうのだな~(涙
DVDリリース以前はレアであった為、画像は素晴らしくはないけれど、「見たつもり映画館」で見てちょーらい。ああっ、愛と感動のっ……!

見所 5人を始め若きスター達が国の為に闘い、死んで行く様を、張徹が嬉々として撮影している(多分)。 血や内臓は、「小拳王」の時と同じなら、豚などのものを使っていると思うのだが、住職はそういうリアリティは嫌いなのだ。 芝居で出せば宜しい。
孟飛城主を方世玉役の先輩として「方世玉アニキ」と呼んでいて、仲が良かったと言う少年役のフー・シェンだが、子供っぽいというよりも、アホっぽいと言えなくもない… 孟飛城主はひたすら、生真面目な優しいお兄さんキャラ。 美少年やひいきの俳優が殺されると、自然にストーリーにのめり込んでしまうという観客の習性を、張徹はよく理解しているのか、或いは単なる趣味なのか… ともあれ、内面の芝居のリアリティの為には張徹の洗礼は不可欠であったと思われるものの、孟飛城主には明るい笑顔がよく似合う。 この位の関わりで丁度良かったのではないかと思う住職である、ポクポクポクポク…

補足情報 何という事でしょう。 DVDで英語吹替版ばかりか、何と日本語字幕付きのも出ていたのね(売り切れちゃってプレミアよん)。 ここが出来た時はVHS時代で、ダビングしまくりの何代目か判らないビデオですらレアだった事を思い返せば、孟飛城の陰謀が実ったと言えようか。 ビックリついでに言えば、新たにリマスターとして出ている2011年版のカバーに関して、重大な指摘を…
画像の5人が思いきり間違っている!
孟飛ちゃんがいないし…! じゃあ、代わりにいるのは誰?!(恐
(※住職、間違いだらけの日本版を観ましてござりまする… 「誤訳列伝」なるカテゴリを作ってしもうたがな!タレコミ寺内記事をどうぞ。)

タレコミ寺にもある通り、フランス語版は英語版より13分長いそうだが、私の観たVHS版はオランダ語字幕付英語版なので、それが何語版に当たるのか、イマイチ判らない! DVDではどうなっているのだろう。 リージョン解除に成功していないので、確認が出来ない。 出来た所で、ビデオは既に再生出来ないので比較は不可能だが。

補足情報2 孟飛さま御本人は後の海魔が「初めて台湾で撮影した映画」と仰っているが、あるテレビのインタビューによると、この作品で「最初に」台湾に行かれている。 当時は植民地であった香港よりも撮影の環境は良く、慌ただしい香港よりも肌に合った… との事でであるが、この「初めて」はどういう意味であろう… その辺はもう住職、有り難過ぎてどーでもよくなっている。 これ以降、香港映画は台湾で撮影される事が多くなるのだが、城主の中では、70年代より台湾移住への思いは芽生えていたのかも知れない…

補足情報3 張徹自身の自伝「回憶錄・影評集」によると、長弓が台湾を拠点に製作した最初の作品で、それまでの國聯片場(板橋にあったと思われる)ではなく中影、華國、大楠、東映のスタジオで撮影したとの事。 (香港の図書館で調べたらしい人の記事
野外ロケは北部の山とあり、まぁ見慣れればすぐに判る陽明山エリアなのだけれど、何せ山だらけなので、大体どの角度から撮っているかまでは判っても、実際に行って比べてみない事には、撮影ポイントの特定は至難の業だ。
背景だけでO.K.ならかなり判っているので、急ぎの方は住職にワイロを、ポクポクポクポク…

ガセ情報 本作の後から作られた「少林寺(同名映画は星の数)」に孟飛が出ているという誤情報が幾つもあるが、断じて出ていないのである。誰よ勝手なこと言うの。 何年か前にさかのぼった設定で作られた「少林寺」の主人公は別の5人(だったような記憶が蘇って来た)。 姜大衛、傅聲、狄龍は重複しているので、映画を見ずに同じキャストだと思い込んで投稿したデータが多いのだろう。 NETの情報なんてその程度のもんだ。 そっちの日本語タイトルは「続」が付いていない。 こういう「出ていないのに何故か出ている事になっている」ガセ情報の頁を作るつもりはあるのだけれど、いつになる事やら…

見たつもり映画館 にあり)

製作/香港 出品/邵氏兄弟有限公司,長弓電影公司 影碟發行/洲立影視有限公司 攝製/邵氏兄弟有限公司 發行/邵氏兄弟有限公司(香港) 香港公開 1974年12月25日~翌月8日 105 min.

昨夜星辰昨夜風 1975 The Miserable Girl
  • 導演何藩 編劇稚駒,鍾志洋 監製包明 製片王迪德 副導演盧建明 策劃鄔運平 攝影陳朝鏞 助導・美術盧建明 化妝李麗娟 服裝李大中
  • 孟飛劉大偉, 魏蘇劉紹德, 張翼孟宇軒, 曹健李伯銓宇軒の父, 歐陽莎菲宇軒の母, 張俐敏李星若宇軒の妹, 呉心蘭小妮, 馬之秦小妮の母, 古軍小妮の母方の祖父, 梅雪兒梅雪兒, 王孫出版商, 周正雄酒客, 王珍妮女郎

お話 (香港電影資料館に書かれているあらすじを訳しておきますずら)
母親と祖父を続けて亡くし、心臟を患った小妮呉心蘭は、作家の孟宇軒張翼の養女になる。
劉紹德魏蘇は、息子の大衛孟飛と宇軒の妹、星若張俐敏との交際に反対し、彼女の父、李伯銓曹健を解雇する。 怒った父に、大衛に二度と会うなと言われた星若だが、従わず父の金を持って大衛と駆け落ちをする。
彼女は大衛に棄てられ、生活に困るが、父親は許そうとしない。
実の祖父を憎んでいた小妮は、彼女を過去の自分と重ねて心を痛め、父親を説得した。
やがて小妮は心臓病に倒れ、母親の手紙を大偉の父に渡して欲しいと養父に頼んで世を去る。 小妮は、大偉の父の実の娘だったのだ。 彼女は(自分を身籠もった母親との結婚を許さなかった実の父の父親である)祖父を恨み続け、死ぬ間際まで隠していたのだ。
痛く感じ入った養父は、彼女の事を小説に残す事に決めたのである。

補足情報 同じくフィリピン生活後のアクション復帰までに出演したという非アクション作品2作の1つと思われる(とすれば公開年に謎が残るが)。 張翼はゲストとして記録されている様だ。
字は「晨」の筈で香港電影資料館の資料ではそうなっているが、これで検索しても「辰」で出て来るので、このままにしておこうかの。
同資料館に行けば、チラシなどの資料が見られる他、なんとビデオも借りられる様なので、香港に移民したい住職である…

出品/恒生電影(香港)有限公司 香港公開 1975年11月21日

十八羅漢陣 1975 18 Shaolin Disciples
  • 導演徐增宏,潘志鈞 副導演魏萊 編劇張信義,朱耕 製片顏武東 出品人潘志鈞 攝影莊胤建 服裝孫志勇 化妝李麗娟 髮型劉德義
  • 孟飛成才, 黄家達雷振中実父, 劉林許一凡養父, 江彬陳忠泰その弟, 徐楓霜琴養家長女, 胡盈盈小眉次女, 王景平小豆子スリ, 張翼苗玉堂, 魯平老二手下, 聞江龍, 蕭堯若旦那, 柯佑民冒頭の少林寺住職, 李敏郎手下, 史亭根, 黃飛龍, 歐立保, 林望南
  • 台湾小金瓜露頭冒頭の雷振中vs苗, 行天宮北投分宮蒲田少林寺, 陽明山牛奶湖成才が顔を洗う池, 唭哩岸山姉が殺される山道, 台北中影文化城

孟飛メン・フェイin十八羅漢陣,少林寺羅漢拳 お話 妻を殺した悪党一味を殺し、赤ん坊を抱いて逃げる雷振中(黄家達)の前に、彼らのボス、苗(張翼)が立ちはだかった。 逆恨みで襲い掛かる苗に返り討ちを食らわせ、ナニを潰してしまった雷振中は、少林寺俗家弟子でありながら戒律を破った罰として破門に甘んじる代わり、「少林寺で死にたい」と、これまで1人も突破した者がいないという羅漢陣の試練を受ける。 赤ん坊に同情した羅漢達の手加減により無事、通過した彼は、出家して17人目の羅漢となる。 住職曰く、18羅漢陣には、後1人足りない…

赤ん坊、成才は、運送屋(虎威鏢局)を営む友人(劉林)の元で、実の子として育てられた。 20年後、成長した成才(孟飛)は姉(徐楓)の隊のお伴として初めての外出を許される。 実父の短剣を護身用にと渡され、全て姉の言う通りにと言い付けられた成才は、後を付けて来る盗賊一味に気付いて捕えたが、姉は事情を確かめもせずに彼を叱り、一味を逃がしてしまう。 口論になり追い返された成才は、昼間の盗賊達が隊を襲う計画を立てているのを見付け、一緒に姉の所に行って真実を話せと言うが、攻撃されて短剣を使い退治する。 成才を探しに来た姉はその現場に出くわし、無実の人間を殺したと又もや彼を咎める。 成才が去った直後に一味のボス、苗が姉を襲い荷を奪う。

一方、成才は町で女スリ小豆子(王景平)に出逢い、彼女を更正させようとするが、彼女は成才の財布までもスってしまう。 成才は盗賊の手下から、ボスが姉達を襲った後、「鬼殺手」を見付ける為に家に向かった事を聞き出す。

家では、成才を連れずに帰った姉が、金で償える荷物よりも1人息子を行方知れずにした事を叱られていた。 そこへ苗が現れ、荷を返して欲しければ20年来の仇、雷振中と息子の居所を教えろと迫る。 養父がシラを切ると、ならば手下を殺した犯人を差し出せと言う。 仇の友である養父が何か知っているに違いないと踏んで、事ある毎に難癖を付けていた苗であったが、手下の1人(李敏郎)が成才の短剣を見て報告した為、勘付いたらしい。 成才が不在と聞き、一旦、引き取るフリをして隠れて待っていた一味。 帰宅した成才は応戦しようするが、養父が止めて殴る。 何故、不正と闘わないのかと迫る子供達を抑え、苗に「成才を許せば、3日後に雷振中の居所を教える」と取引する。 嘘なら一家皆殺しだと言い残して苗が去ると、いきなり成才をなじり始め、追い出す養父。 肩を落とし去ろうとする成才に、元々、成才を欲しがっていた自分の弟の世話になる様にと言って金を渡す。

孟飛メン・フェイin十八羅漢陣,少林寺羅漢拳 叔父の家に向かう道中、一味に襲われた成才であったが、後を追って来た妹の馬車で逃げおおせた。 苗が父親を「鬼殺手」と呼ぶ事を不思議がる成才。 道中、騒ぎを起こし、再会した小豆子の手引きで逃げる。

養父は長女に、成才が親友の息子である事を告げる。 次女の婿にと考え、引き取ったのだ。 自分に万一の事があったら成才の面倒を見る様に、と言い残し、成才の元へと出掛ける。

小豆子の家で寝る事になった成才は、小豆子の洗濯物を着て1人で先に行こうとするが、役人に怪しまれ身を隠した所、妹達に見付かり、2人に伴われて叔父の家に行く。 そこは廃屋で、1年前に苗に皆殺しにされていた。 首を傾げる3人の前に現れたのは養父。 幼い頃の朧気な記憶から、自分は養子ではと察していた成才は、苗が探している「鬼殺手」は実の父ではないかと問う。 その通りだと聞かされ、ショックを受ける成才。 罪を悔いて仏門に入った実父は、現在は少林寺の住職となっていると言う。 その話を、苗が隠れて聞いていた。 叔父一家惨殺は、仇をあぶり出す為だったのだ。 成才を逃がす為に苗にしがみ付いたまま事切れる養父。
「お前が逃げなければ友に申し訳が立たない」
との言葉に、2人を連れて廃屋を後にする成才だが、養父をかばって斬り付けられた小豆子は、成才に腕輪を渡して息絶える。 それは、成才が彼女に出逢った時に投げ付けた投げ輪だった。 …おぉ、そうか、妹が嫁候補だと知ったからね。 その汚れ無き姿に心打たれる妹。

孟飛メン・フェイin十八羅漢陣,少林寺羅漢拳 その頃、姉は…
宦官仲間と少林寺に向かう苗の前に1人立ちはだかり、大勢の役人を相手に勇ましく散った。 少林寺に着いた成才は、妹を外で待たせて中に入るが、住職である父親に会いに来たと言っても取り合って貰えない。 中から出て来た見覚えのある僧侶に頼んでも、シラを切られてしまう。 そうこうしている内に苗達も辿り着いた。 苗も、命令があるまで動くなと役人達を待たせ、1人で寺に入って行く。 今日は私用と公用の両方の用だと言い、住職を出さないと火を付けると脅す。 僧侶達は苗に攻撃を仕掛けるが、科学忍法火の鳥… じゃなくて16羅漢陣でも倒せない! 騒ぎを聞き付けて現れた住職に、成才は息子である事を名乗り、養父とその弟が苗に殺されたと告げる。 しかし、俗世との縁を絶った住職は父である事を認めない。 友や妻の仇討ちをしないのかと挑発し、目の前で息子を痛め付ける苗にも反撃をせず…
あぁ、ここから先は孟飛城としては書かなければならないの、何故ならこっちの住職の「ポクポクポクポク」の出所だから。 ネタバレが厭な方は飛ばして下さいな。

殺した手下の数と同じ49対の目玉を差し出せと言う苗に、それは無理だが1対をと、自分の両目をえぐり出し、今後自分が光も陰も無い日々を送る事で罪滅ぼしとさせて欲しいと言う。 その言葉に苗は……
「本日より汝を仏名『覚悟』、本寺第十八人目の羅漢とす」

ポクポクポクポクポクポクポクポク…………………(で、役人達はいつまで外で待ってるの???)

見所 「いくらドラ息子だからってそんなに眉毛テカテカに描かなくっても…」と開設間もないボートクレビュ~に書いてあるので、VHSの画像が良かったのだろう。 住職のDVDは英文&中文音声&英仏蘭独伊の5カ国語字幕の「リマスター」という事になっているが、そこまでの映りでは無い。 2つの刃がハサミの様になったり180度開いたり、と変化する短剣だが、器用な孟飛城主、2本握って自力でジャキーン!「うわっ、スゲェーッ」という表情がいじらしい… 妹と口論しながら着替えをするシーンでは、短パンいっちょーのサービス付き♪ …と言ってもエロスは無いのだが。 残念な事に暗いシーンが多く、屋外でも陰影がキツくて、デコッパt… いや意外と掘りの深い孟飛さまの目が陰になったり、バックが黒くて髪との境が判らなくなってしまっている画面が多く、画像は取り辛い。 映像で見るとキュートなので、画面を明るくしてガン見して頂きたい。

住職(紛らわしいがワシの事だ)、中国に暮らしていた間も、二人称「你」の敬称「您」を殆ど聞かなかった。 日本人の感覚では先生や親は「您」になりそうだし、住職も孟飛城主に対しては当然ながら「您」を使う。 書く時には使っているファンもいるが、恐らく喋ると「你」になると思われる。 映画でも師匠に対しては殆ど「你」と言っている。 そんな中、成才が養父に対して「您」と言っているので、姉妹の態度からしても、厳しく躾けられた事が窺える。

孟飛メン・フェイin十八羅漢陣,少林寺羅漢拳









醒龍さんの電影フリークス で読むまで気付かなかったが、最後が十八の人文字になってるのね、アハアハ♪ 当時の新聞ではこのシーンを「壮絶!圧巻!」みたいに絶賛してあって、更にウケてしまった。 動きバラバラやし、足フラフラやし、移動バタバタやん!(爆) 醒龍さんの発見によると、英題は「18 Shaolim Disciples」と誤植されており、ポスターでもそうなっているとな。 ほんとだ~~~ワハワハ!
新聞には更に、アクション映画に於いて少林寺を扱うのは賭けだ、とも書かれている。 今からすれば珍しくもないが、この前には余り無かったらしい。

本作では父親を演じたカーター・ワンが主演で、同じく共演が徐楓、張翼という「Shaolin Kung Fu Mystagogue」が、ラストシーンも似ている為か、本作と混同して孟飛さまのフィルモグラフィーに入っていたり、本作の別名として挙げられている事が多い(日本人が間違えているのは見た事が無い)。

本作に於いて注目すべきは、日本でビデオ化されていた3作品の内の1作であるという事。 徳間ジャパン、字幕無し英語版だったらしい。 住職がVHS時代に書いたレビューでは、NET上にデータの無い90年代当時、役名を全て漢字で書いている事から、字幕付きの原語版だったのだろう。 韓国版かも知れない。 フランス語吹替で短縮版などが出ているが、日本リリースVHSと住職所有DVDは90分フルバージョンである。

ロケ地 4つ位ある少林寺の1つ、福建にある「蒲田少林寺」のフリしている行天宮であるが、台湾では有名な観光地である台北の本宮ではなく、北投の分宮關渡行天宮(忠義廟)である事が判明。 よく見てみると、「行天宮」の字体が違うのだ。 映画では龍の柱が無いので、内側かと思っていたのだが、行天宮は台北にある本宮の他に2つの分宮がある事を知り、写真を掻き集めて比較してみると、北投分宮と見事に一致したのだ。 住職、ロケ地と知らなかったものの、ちゃあんと訪れ写真を撮っていたぜ、うっしっし~と思っていたのは、ここではなく台北の行天宮だったのだ、どひゃ~~~んポクポクポクポク…

出品/亨亭登(香港)影業公司,亨亭登(香港)影業公司 台湾公開 1975年12月6日

海魔
金刀斬怪魔
1976 Exorcising Sword
Monster from the Sea
The Devil from the Bottom of the Sea
  • 導演余漢祥 編劇董元良,張信義,趙玉崗 監製周大賚 製片周在德 特撮指導高野宏一
  • 孟飛金刀王子, 林施, 川原康嘉, 羅冰清, 原森, 房勉, 康華董力, 羅儀
  • 台湾

孟飛in海魔の報紙広告 ↓そしてこれより更にショーゲキの資料入手!請うご期待!

ふっふっふ~ コレは凄いぞ♥

孟飛城に於ける超難題であった謎の映画。 キャストやスタッフの記録まであるのに、詳しい事が何1つ、判らない。 「日本の特撮界より高野宏一氏を招いて台湾で製作された」なんて言われると、余計に煙に巻かれた気がしたのだが… 「日本国内の情報を調べればいいんじゃん!」 ビンゴ! 灯台もと暗しとは正にこの事で、香港・台湾の映画だから当然、中文サイト、という思い込みが私の目を塞いでいたようだ。 2011年11月17日の夜、凄いもんをめっけてしまった! それは せんきち さんの 「海魔」に関する記事! あまりの興奮にアタマの中がはなぢで一杯になり、思考が停止してしまいそうになったところ、辛うじて情報を整理し、コメントを入れさせて頂いた次第だが、何だか動転している様子が伺えて、恥ずかしい限りである… すぐにでもメッセージをお送りしたかったのだが、本日、23日になり、ようやく何とか落ち着きを取り戻し、孟飛城への記事の要約転載と画像の使用の許可をお願いしたところ、快諾下さったのである。 今宵も宴だ♪ これで孟飛城は世界一の孟飛マニアサイト決定だ~!(出来た頃からそうやけどなっ)

一部を引用させて頂くと「民間故事に基づく古装片で、人間に災いをもたらす妖魔との戦いを描いた作品」のようだとのこと。 成る程、確かに台湾の時代モノを見ていると、何だか特撮がやりたそ~な雰囲気に満ちている(私は「怪獣モノ」と呼んじゃっているが)。そして、せんきちさんは「金刀斬怪魔」という作品と同一ではと推測されているので、私も調べてみたところ、年代、スタッフがほぼ一致する… この御縁で住職、孟飛さまを「わー」と言わせる事が出来たのである♪

せんきち様、貴重な資料及び情報をありがとうございました、重ねてお礼申し上げます!

御本人情報 2012年3月22日未明、孟飛さま御本人に確認したところ、上記2作は同一作品。 そして、孟飛さまが台湾で初めて撮影なさった作品ということであった。 興奮の実況及び詳細はタレコミ寺内記事をどうぞ。

新聞など 1976年の工商日報に広告を見付け、めでたく香港での公開日が判明。 世間では「ジョーズ」なども上映されていた時代なのだな。
ポスターやロビーカードの画像を仕入れておるので、更新はもうちょい待ってちょーらい。

出品/美鴻企業機構有限公司 (台湾) 發行/子輝企業有限公司 香港公開 1976年3月26日

英雄血
少年豪傑
唐山阿弟
1976 The Bloody Hero
A Bloody Hero
The Blood Hero
  • 武術指導潘耀坤 導演植耀昌,Danny Ochoa-フィリピン 編劇陳艾葳 監製蔡振土 製片潘耀坤,馮建權 出品人戴金
  • 孟飛, 艾美麗, 小麒麟, 古思汀, 羅鳴, 謝麗汀, 小林玉, 丁連輝, 郭家馮, 李行, 潘環坤, 梁伯鎭, 秋悠士力, 巴尼, 伊力
  • フィリピン(詳細タレコミぷり~ず♪)

孟飛メン・フェイin英雄血 お話 のどかな河西村で仲良く農業にいそしむ3兄弟。 頑固な父親のお陰で村は安泰。 真面目だが心の広い孟飛ちゃんは次男。 末っ子は志垣太郎…似の別人(当たり前)。 勤勉な一家のアキレス腱は長男の小麒麟。 バーのお姉ちゃんにハマった彼は、村を狙う悪い奴らに利用されてしまう(つってもお色気がある訳じゃない)。 働かなくても大儲け出来ると丸め込まれた長男、父親にアヘンを植えるようにと説得しようとする。 当然ながら叱り飛ばされるのだが、儲け話があると知ってしまった彼は、更に地道に働く気がしない。 金持ちになれば一家の為にもなると言われ、その気になっているおバカさん、土地の権利書を盗み出すようにとそそのかされるが、身分を隠して彼らの家に泊まっていた捜査官に見付かり、騒ぎになったところ、みんなに知れて、家を飛び出してしまった。 何か事件に巻き込まれているのではと感じ始める一家。 騙されているのだとホステス達に忠告され、長男が家に帰ると、父親が襲われた後であった。 事情もよく判らず、ただ息子の帰りを喜ぶ臨終の父は、真面目に生きるのだぞ、との言葉を残し、息を引き取った。

亡骸からゆっくりと顔を上げ、空を見つめる弟、孟飛ちゃん… 怒りの鉄拳かと見紛うこの表情! この目! 復讐の似合う人だなぁ(冒頭ののどかなシーンとは眉が違うよ)。
「兄貴のせいで死んだんだぞ!」呆然とする兄…はじける波! ザバーーーン!
「金に目がくらんで良心を捨てた、道義なんかありゃしない!」ザババーーーン! はじける波、波!
ザバーーーン! ザバーーーン! ザババババーーーン!!!!!(本当にこんな感じなのだ、半分でやめとくけど。)

無言で家を出た兄は、邪魔者が消え、悪事の限りを尽くす連中の元に向かった。 人々を脅し、殺し、二束三文で土地を買い上げ、村の名前まで変えた彼らは孟飛ちゃんちにも現れ、家を明け渡せと要求する。 出棺後にと承諾する次男、孟飛さま。

そうそう、言い忘れたが、連中は武器を密輸しているのだ。 この辺りを狙っている日本人と結託しようとしているらしい。 孟飛ちゃんち(これも言い忘れたが名字は「方」なの)に泊まっていた秘密捜査官は、これを調べていたのだった。 そして、この「ブツ」の運搬コースを、棺を運ぶフリをしてわざと通り掛かった、という訳なのだ。 棺を降ろし、埋葬すると見せ掛け、中から飛び出したのは末っ子だった! そして死んだ! 捜査官の仲間達も入り乱れての大乱闘! 側方宙返りで現れ、白ハチマキで闘いに加わった麒麟兄貴との和解! どー見たってフィリピン人だが日本人のつもりらしいヌンチャク軍団まで現れ、密集状態でブンブン… 自殺願望か! もー人が死ぬわしぬわ、bloody も bloody、そして結末はやっぱり… ああ、そうよね、と思ったら、ええぇぇええええ~~~~~?????

孟飛メン・フェイin英雄血 見所 中文版という事もあるのだが、お父さんが死ぬタイミングも絶妙で、ベタながらまんまと感情移入させられたまま、最後まで強引に引きずって行かれる快感… 小老虎仕様で御登場の孟飛さま、一般人どころか、畑耕してるで~、、、などと危ぶむ勿れ。 後半は見事に変身するのだ! まずは、敵地に忍び込む為の忍者マスク(?)が妙に色っぽいじゃないですか❤ 続いて、マスクの後はお葬式♪ 何が「♪」かって、中国の喪って言ったら白じゃないですかっ。 待ってましたの白装束に白ハチマキ! も~ついでにヅラ被っちゃおうよ… という位にヒーローなこの作品、孟飛さまはゲスト程度だと思っていたら、ちゃっかり主役でお得感倍増♪ もうこれは完全に「アイドル孟飛」仕様の脚本なのだ、ありがとうフィリピンの同志達! ロケはフィリピンで間違い無いだろう。 だって、乗って来るのが馬車でも牛車でも無く、山羊車なんだもん…
表情や芝居に関しては、ほぼ方世玉っちゃあ方世玉だけど、まだ脱皮中という感じ。 ラストバトルでは、いつもの余裕バージョンとは違ったスマイルを見せる孟飛さま、闘いという芝居に於いては初期から卓越したものがありますな。 泣きそーアクションも満載で、期待を遙かに上回るモエモエ映画、孟飛ファンにはおいしい1作だ!

タレコミ samuanさまによると旋風方世玉と同じ Danny Ochoa がフィリピン側の監督をしているそうな!

新聞など 過去の香港の新聞からは、中文タイトルの3つのどれも見付からないが、「フィリピンにて小麒麟と接触した」との記事がある。
又、1977年6月公開のゴールデン・ハーベストの現代モノ(監督/賴建國)にも同名作品があり、Sam Peckinpah(森畢京柏)の1977年作品「Cross of Iron」の中文名とも同じなので、制作年の混乱したデータが存在するかも知れない。

出品/震禾電影公司 1973年、1978年とのデータもあり

旋風方世玉
傳奇方世玉
方世玉傳奇
1976 (同名異作あり)Young Hero of Shaolin
(数字は2-4までかなり適当)Prodigal Boxer II
Prodigal Boxer, Part IV
Enter The Whirlwind Boxer
Pork Chopper
  • 武術指導劉家班 導演蔡陽明歐陽俊 副導演林國樑,王瑜 出品人張英 編劇張信義,朱耕 故事張信義 監製林蘭 攝影王駿
  • 孟飛方世玉,張小良偽使用人, 譚道良"神腿"高力, 魯平曹彪, 魏平澳, 龍君兒曹彪の娘, 王寶玉秋菊侍女, 李小飛秦仲秦管事, 馬場"蒙古斧手"王剛, 李敏郎施一刀, 黃飛龍章力武元漁師, 小黃龍"飛燕"衛天冲, 易原江重威叔父, 葭漢, 張方霞結婚式の爺, 葉飛揚小武方世玉の仲間
  • 台湾金瓜石地質公園の北高力vs世玉pt1, 龍鳳谷叔父の仕事場, 石門寮叔父の元に向かう山道, 黑龍潭斧対決の河原, 開山園剣対決の林, 台北中影文化城曹彪の街

孟飛in旋風方世玉 / 傳奇方世玉 お話 民の味方、方世玉は、叔父のもとで平和に暮らしていた村人を苦しめる悪~い金持ち、曹彪の屋敷に召使いとして潜入した。「一番強い男」になりたくて方世玉に付きまとう高力(譚道良)は、用心棒として雇われる事に成功、果たし合いの機会をうかがう。「方世玉がやると言ったら誰にも止められないんだ!」 何者をも怖れぬ不屈の信念が全編を貫く。

見所 ドジで臆病な召使いが「俺は方世玉だ」と名乗るたびに「よっ、待ってました、日本一!(ォィ)」と手を叩きたくなる痛快剣劇。筋、台詞、顔、ヅラのまとまり具合… 全てに於いて孟飛映画ナンバーワンかも。悪役をも含む登場人物が皆、固い信念を持っているのだ! わたしゃ、この映画に出逢わなかったら、アクションを半端にやめていた。 いつも通り、録画したのを勉強の為(&立ち回りをパ○る為)に見ていたのだな(すんません、コマ送りで何十回も)。最初は、判り易い譚師匠の足技に目を惹かれたのだが、何度か見る内、孟飛さまのアクションそのものの巧さに気付いたのだった。 故にこの2人は、私にとっては永遠に神である。 正直言うと、暗闇アップでの瞳ビームにやられてしまったのかも知れないが。 欲を言えば、最後は方世玉の姿で闘って欲しかったのぉ。「孟飛=扇子」のイメージが強いかも知れないが、これが扇アクションの第一弾のようだ(機会があれば、ヨイショがてら訊いてみよう)。
言葉が判るようになってから原語版を見てみると、台詞がいちいちシビレる… 残念ながらTV放映版では編集されまくって普通の「正義は勝つ」モノになり下がっているので、日本ではちょっとシビレにくい。特に最後の一言、何だありゃ?

孟飛in旋風方世玉 / 傳奇方世玉 余裕の相手に対し「かまえない」という構え、「無視する」という見得にはショックすら覚えた。 「滅茶苦茶カッコイイ」と評判の翌年の「梅花樁」のオープニングで見られるのも、正にこれだ。 一見、細身のシルエットで実は天下無敵、という「いい方へのギャップ」が又、たまらない。 (全然、細くはないのだが、隠してあるとこがイイじゃないか♪) 立ち姿の美しさは言うまでもないが、孟飛アクションの大きな特徴は「表情」だ。 あでやかな笑顔、お魚の様にパクパク動く口、キラキラ光る瞳、泣きそうなトドメ、そして敵を倒した後の厳しい表情は「こいつを殺らんかったら俺が殺られていた…」という説得力に満ちている。方世玉が何故勝つのか ---- それは美しいからだろう、納得。 元漁師の章力武との闇の対決で、瞳を揺らしながら敵を見据えるシーンはTV版でも見る事が出来るが、こ~んなの大画面で見せられたらも~~~、瞬殺だね♥ 勿論、無敵のテコンドーチャンピオン、譚道良の伸びのある足技は古風ながら天下一品。 方世玉VS斧投げの達人の対決では、仲間は丸腰なのに自分だけ鉄板にホットケーキで胸をガード、というクールなトリックも見逃せない。 見晴らしのいい河原にいきなり側方宙返りで現れる跳躍力など、あり得ない超人ぶりにもクラクラ来る。

孟飛in旋風方世玉 / 傳奇方世玉 補足情報 孟飛方世玉の(ルックス以外で)最も重要な点である英雄の精神は西欧に理解され難い様で、この手のものは常に翻訳版製作の際に勧善懲悪や復讐という単純で浅い動機に置き換えたアレンジがなされ、根本的な部分が失われてしまう。 英語版や、それをベースにした日本語版でなく、中国語版でなくてはと強く思わされるのである。
本作の大きな見所の1つは、冒頭のやたらめったら強い格闘シーン。 強欲じじぃの結婚式に乗り込んで、掛かって来るザコどもを蹴散らして進んで行く。ここを見ないで、この映画を見たとは言えない(TVではカット)。随所に登場する「方世玉がやると言ったら、誰にも止められない」という台詞が最初に出て来る場面でもある。クレジットに「SHOJI KARATA SAN」と出るけれど、倉田氏は回想シーンに「方世玉('72)」のフィルムが使われているだけ(よくあるハナシだが)。
フルスクリーン版では、画面の端にいる方世玉が半分だったりいなかったりするのは当然ながら、特に河原での対決シーンで仲間に伏せろと合図をする方世玉の動き(コレ又、さりげなく格好イイのだ)が映っておらず、扇子を上げて何をしているのか判らない。TV版は勿論、英語版原語版など幾つかVHS版を見たが、レターボックス版は台湾で出ていた「傳奇方世玉」のみだった。映りはTVの3倍録画の方が良かった気がする。正規版のフリしたDVDが出てないかなぁ(この時代のものに「正規版」なんてあるわきゃないと思っている住職である)。 そうそう、Young Hero of Shaolin というタイトルは全く違う映画が存在し、どっちもそれなりに有名。そして… なんとその違うと思われる方の説明にこっちのキャストが書いてあったりするのだもーいい加減にして!

補足情報2 2012年になってから発見した原語の動画は、前作という事になっている方世玉からの引用がやたらと長い。 全体の3分の1以上あるのではなかろうか??? その代わり、腰に刀を巻いている施一刀との対決が無い。 フルスクリーンとレターボックスの両方が存在するようなのだが、どちらも編集は同じようだ。 落とし穴から跳び上がって闘う筈なのだが、落ちて死んだ事になっている。 他にも重要なシーンが幾つも欠けている…! 意味不明の編集だ。
昔、見たビデオでどうだったか忘れたが、上記中文版では武術指導が「劉家班」になっているので、それに合わせてみたが、以前は「劉家榮」になっていた。 しかし、あの見せ方は劉家良ではないだろうか???

補足情報3 当時の香港の新聞広告を見ると「旋風方世玉(Prodigal Boxer II)」となっており(「傳奇方世玉」は台湾のタイトル)、出品人に張英がクレジットされている。

外部資料 この作品については醒龍さんの「電影フリークス」内方世玉シリーズについてにバージョン比較がある。更に台湾の資料にある少林絶學一傳人と同一作品との事。 私も4~5本観たと思うけれど、ぼけ~~~~~っとしていたので比較はしていない(てか孟飛しか見てねーだろおめ)。 特に使い回しの回想シーンに関しては「手ぇ抜いてんじゃねー」とか言いながら速送りしていたので、全く判らない。 すまんのぉ~~~こんな時代になるとは思わなかったのジャーーー♪
「洪熙官もイイけど方世玉もね♪」みたいなキャッチの現地新聞広告も又、色っぽくてシビレるじゃないか。

見たつもり映画館 にあり)

製作/台湾 出品/南海影業公司 香港公開 1976年10月19日

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