俠影留香 | 1980 | Everlasting Chivalry |
(楚留香之)桃花傳奇 | 1980 | Legend Of Peach Blossom |
お話
李笑(孟飛)に決闘を申し込み、あっさりと破れた男が、20年の修行は何だったんだと自害する。
萬壽園を訪れ婦人に挨拶をする李笑。
命の恩人として好意を寄せている娘、情情や一族の前で、大きな「ヘーワのヘ」をかます。
それでもめげない情情だが、李笑は彼女をわざと怒らせ追い払う。
そこに現れた婉兒は、李笑をからかいながらも付きまとう様になる。
夜、親友の蕭峻と酒を飲んでいると、情情の妹が現れ不自然な行動を取る。
命を狙われている事に気付いた李笑は、婉兒が何か知っていると知りながら、彼女に惹かれ、君さえいれば他はもうどーでもいいわ❤ …といういつもの骨抜きメロメロ展開に。
墓で襲われたり、相変わらず変なアクションてんこもり… 古龍に訊きたい、おもろいんか、これ???(鬼籍に入られているので不可能だが)
婉兒は李笑と結ばれるも、何も語らずに姿を消す。
彼女は、決闘に敗れ自害した男の娘であった。
家の血を流した者は殺さなければならない。
父親は自分で死んだのだ、と反論するも、長老達の決定には逆らえない。
拒否すれば、自分が死ぬ事になる。
刑を受け入れる覚悟を決めた婉兒だったが、情情らが李笑を導き救出を手引きする。
苦悩する母親の前で、妊娠している事を初めて明かす婉兒。
「私はもう聖女ではないけれど(古龍知らない人にはトートツの聖女!)、お腹の娘は聖女よ。だったら、父親である李笑は聖夫よ。殺す事はできないわ!」
…と一見さん置いてけぼりのクライマックス!
子供の性別は不明だが、娘だったら大事になると脅し、10ヶ月の時を稼ぐ事に成功した。
どこであれ、一緒に暮らしたいと言う李笑を、婉兒は
「私1人でなく、世界中の人を幸せにして欲しい」
と、送り出す。
…だ~からアンタ、相変わらず自分だけイイ思いしとろうが、エエーっ?!
ほんま、よろしわぁーーーーー!!!!!(住職の叫び)
ポクポクポクポクポクポクポクポク……… ◆ 劇 終 ◆
見所
楚留香なのでヒゲにキンキラ扇子だが、表情は美しいのだ困ったね。
目のアップは、ドラゴン少林拳のvs高僧を思わせる麗しさ。
頭に載せた冠の様なものが、常にキラキラキラキラ… 気になって仕方がない。
飯屋で「着替えて来るわ」と言う婉兒も、そう言われて見てみれば、10代のアイドルの紅白の衣装みたいで呆れてしまう。
情情は結構、綺麗じゃないか?
芝居もまともに見えるが…
麻痺しているのだろうか???
周りが周りなもんで、自信が無い住職である。
補足
古龍の同名小説原作、脚本も古龍。
ちなみに同じジャイ子さんの「西門無恨之」と付いているのは別の作品なのでご注意を。
撮影は韓国でせう。
臺灣宙聲影業公司 台湾公開 1980年 (88分49秒)
碧血洗銀槍 | 1980 | The Silver Spear Silver Hermit From Shaolin Temple Silver Hermit Meets the Bloody Fangs of Death |
醉八仙拳 糊塗怪俠醉八仙 |
1980 | Kung Fu of 8 Drunkards Drunken Art's Tricks |
武當二十八寄 石人關十八奇 |
1980 | The Unbeaten 28 The Unbeatable 28 The 28 Wonders of Wu-Tang |
お話
ハナシは仇討ちものであるが、メインは拳法の極意書「大虚真本」を手に入れる為に18の試練にチャレンジする大虚堂だろう。入口にはいきなり「虚無---大虚仙人」の張り紙が!
筋肉番付ばりの門をクリアして入ると、動く木人も真っ青の、笑う石像ちゃんの間を突破、しかし兵馬俑の集団リンチにあえなく敗退。修行を積んで出直した二度目の挑戦では、必殺ハナ飛ばし拳に破れて瀕死の重傷を負うが、「死ななくてラッキーじゃった」などとのんきな和尚。更に厳しい鍛錬の末、三度目にてようやく合格、念願の「大虚真本」を手にするが、何と中身は白紙。実はあぶり出しであることを発見するも、中に書かれていたのは、18の試練を突破する方法であった。つまり、本を手に入れる為に使ったワザの数々こそが極意なのであり、本を手にした者にはもう不用なものなのである… 和尚は笑いながら本を燃やしてしまう-----いと虚し。和尚は続けて、「さぁ、お前は十分に力をつけた。仇を打ちに行きなさい」
格闘の末、仇を追い詰めた洞に待っていたのは、ロボット仏像。もーばかばかしくて骨がとろけそう...
見所
三節棍や圏(おなじみの輪っか)を使う孟飛は初めて見るが、そういうもんを素直に楽しむ映画ではないんではなかろうか。
海外ではシリアスなアクション映画と勘違いされている節があるが、相変わらずの一直線前髪にびっちり眉毛で男前をキメ込んだ孟飛ちゃん、底知れぬあほの渦に巻き込まれていく彼の姿に、ファンは腰骨玉砕間違いなし!
しかし師匠の娘はやたら可愛いし、みんな楽しそうだ。主演デビューから十年以上経って二十歳の役は無いだろうとか、そのヅラ似合わないよとか、眉毛描き過ぎとか、真面目なツッコミ入れてる場合じゃないのだ。
宏華國際影片(香港)有限公司 香港公開 1980年9月 (90分)
劍氣滿天花滿樓 | 1980 | (劇中タイトル文字)The Legend Of Lu Siao Phone (VCD?封面)The Legend Of Lu Siao Feng |
古龍の陸小鳳シリーズ、原作は「金鵬王朝」。89分39秒。このシリーズのどれかで「ワイヤーで木に激突事件」は起きたらしい…
英題の「Phone」は本当にカバーにもオープニングタイトルにもこう書いてあるのだ!
裕泰出版社が1985年9月に古龍の名で同名の小説を出しているが、映画とはかなり違う様である。
孟飛さまは高い位置のポニーテールにヒゲ仕様。
盲目の剣の達人、花滿樓を人質に頼み事をされた孟飛さまは、西門吹雪という強いおっさんに助っ人を頼みに行くのだが、「ヒゲを剃って来たら聞いてやる」と言われて剃るのだな。
ヒゲ無しシーンは結構長いのが宜しい♪
ストーリーはもうちょい待っておくれやす。
出品/香港巨倫影業, 大聖國際電影 台湾公開 1980月2月1日 (94分)
新月傳奇 星月傳奇/td> | 1980 | The Sun Moon Legend The Young Moon Legend |
お話
変な麺屋で偶然知り合った老人の行方不明の娘を捜す事になった楚留香。唯一の手がかりは首筋の三日月型のアザ。同時に彼のマブダチは見知らぬ夫人から、ある姫君を捜し出して悪名高き領主、史天王に嫁がせるよう頼まれていた。姫は世にもブサイクな、、、いや「絶世の美女」であるという。どうやら二人の捜さねばならない娘は同一人物であるらしい。やがて留香は、目の前に現れた謎のブサイクな、いや「可憐な」娘と恋に落ちる。彼女の正体は何と、かのブサイクな、、、あっいや「美しい」姫君だったのだ!
襲われたり助けられたり、何だかんだとややこしい話を経て、ついに城に乗り込んだ留香は、知恵と剣の腕で見事、史天王の首を取り、めでたくブサ、、、美しい姫のムコとなるのであった、ぜぃぜぃ。とにかく古龍の映画化作品は展開が唐突でワケがイマイチ判らない!
見所
古龍原作「新月傳奇」。
頭のキレる小粋な剣豪、楚留香を演じる孟飛はキンキラ扇子にちょ、ちょびヒゲを~!(孟飛城としてはお見せできませぬ…)
ワイヤーに早回し、その他変なトリック、うさん臭いアクションはさて置き、孟飛映画ではいつもヘンなヤツの王冠雄は渋いヒゲ面だ。男前が皆ヒゲを生やしているのはこの時代の常識か?!
ヒゲを隠すとやっぱりキュートな孟飛さま、キャンディーズの蘭ちゃんみたいだねぇ(歳がバレるよ)。でも相手役がブサ、、、いや、何と言うか。顔を置いといても芝居にすらなってない。
ぶっちゃけ「楊鈞鈞が金出して作った」って書いてある… やっぱ世の中金かぁ。
「銀河畫報」に「星月傳奇」の名で載ったそうな。
出品/香港大五影業公司 台湾公開 1980年7月17日 (84分47秒)
御劍伏魔/td> | 1981 | Imperial Sword, Crouching Devil |
搏殺 雪亮的一刀/td> | 1981 | Diamond Fight |
お話
香港のあるホテルで日本人客、松田が襲われ、34個のダイヤが奪われた。発見者である娘スージーは皇家警察 C.I.D.のチャン捜査官(徐少強)らの取り調べを受ける。
松田は宝石店で働いていたが、ダイヤは店から盗んだ商品だったのだ。
宝石店の経営者達は、娘スージーがありかを知っていると睨んでいたが、証拠が無い為、国際警察に通報した上で現地の私立探偵(殆ど殺し屋)で闇社会にも通じているチン・ロー(陳恵敏)を雇った。
日本からは、松田の死の知らせを聞いた甥のカタカ(王道)が駆け付けた。
叔父に盗みをそそのかした事をスージーに責められたカタカは、犯人はかつての自分の部下と知り、半端な長さの「日本刀」を渡して「大和魂を証明しろ」と迫る… ククク♪
カタカって… 田中と言いたかったんか? ククククク♪
そして、とあるパーティーにて…
特別ゲスト出演の孟飛さま扮する大金持ちチャウ(多分、周だと思う)は、東洋一の宝石の収集家。
トレーニングジムを経営するチウ・ミン(王冠雄)の仲介で、珍しい高価なルビーを鑑定書無しで購入する。
以上で孟飛さまの出番終了につき、以上!…と言いたいが、一応、最後まで書きますか、ポクポクポクポク…
宝石目当てでチャウに付き添っていた女(劉雅麗)は、パーティーに招かれていたチャン捜査官と親密な関係のようだ。
女は、チウ・ミンに実はあなたが好きなのと言い寄るが、硬派っぽく拒否される。
チャン捜査官の調べによると、カタカの義父、鈴木は、白金塊をたんまり乗せて沈没したロシア船を引き上げようとしていた。
大金を注ぎ込んだものの失敗、その事業は、同じく日本人のヒロシ(何故、いきなりファーストネームになるのかはさて置き)に取られてしまった。
カタカは事業の権利を取り戻す為の資金が必要なのだ。
だが、チャン捜査官はあくまでダイヤを取り戻す事に執着する。
この辺りから既に怪しい。
カタカは、元手下から取り戻したダイヤを売ろうとしていたが、私立探偵チン・ローは取引相手を捕えて取引場所を聞き出し殺す。
取引相手は、チウ・ミンがチャウに紹介した宝石商である。
彼が消えたと知ったチウ・ミンは、スージー達に会い、相棒の取引は自分が代わって続行すると告げる。
それを嗅ぎ付けたチャン捜査官にチウ・ミン放つ台詞「ダイヤは世界で最も鋭いナイフだ」が中文タイトルなのだろう。
シラを切るチウ・ミンに、チャン捜査官はダイヤを持ち主に返す為に協力し合おうと言うが、断わられる。
ほぼ殺し屋の私立探偵チン・ローに襲われたスージーを間一髪で救い出したチウ・ミンは、彼女の色仕掛けにあっさり陥落!(爆)
翌日、チャン捜査官の女に再び言い寄られるチウ・ミンだが、友人でもあるチャン捜査官との結婚を勧め、とびきりの祝いを贈ると約束する。
チウ・ミンは私立探偵チン・ローに襲われ、反撃して殺すが、その現場をチャン捜査官に撮影され、ネガが欲しければ捜査に協力しダイヤを渡すようにと要求される。
一方、殺されたチン・ローの弟、サミーはチン・ローの女の元へ駆け付け、ダイヤの仕事を引き継ぐ決心をする。
みんなにマークされている為、変装してカタカに会いに行ったスージーだが、サミー率いるバイク軍団に襲われる。
2人を助けたのはアムステルダムからやって来た宝石業界のベテランを名乗るトン(高飛)。
彼は「チウ・ミンは信用出来ない奴だ、代わりに自分と取引してくれ」と名刺を渡す。
不安になったスージーはチウ・ミンに電話を掛けて取引の日程を早め、金を用意出来なければ他の相手にダイヤを売ると言う。
チウ・ミンはチャン捜査官にこの事を話し、金を用意させる。
だが宝石商を名乗ったトンは国際警察で、彼の金は宝石店が用意していたのだ。
翌日、チウ・ミンとスージーの乗った車を部下達に追跡させたチャン捜査官だが、2人はまんまと下水道に脱出、ダイヤを持ったカタカと落ち合って取引を済ませた後、3人は別々に逃げる。
名刺に発信器を仕込まれていたカタカはトンに見付かり、金か命かの選択を迫られ、相打ちに倒れた。
宝石を持って地上に出たチウ・ミンは、チャン捜査官達に捕まり、ネガとダイヤを交換し放免される。
チャン捜査官は、持ち主の宝石店には刑事手続きが済んでからダイヤを返すと説明する。
このやり取りはチウ・ミンの耳にも入っていた。
チウ・ミンが帰宅すると、スージーがいた…
シャワー後なのにアイシャドウばっちりで。
ダイヤを渡してしまった事を打ち明けるが、スージーは「あなたの方が大事なの」とばかりに気にしないそぶり…
一方、チャン捜査官は…
プレゼントの小型犬を連れて女の元を訪れ、プロポーズしていた。
ネコババした事を隠してダイヤを見せ、明日、ハネムーンに発とうと言う。
彼が帰った後、チウ・ミンに結婚を告げる女。
チウ・ミンは「お祝いを贈る」という約束を守る為に、女の元へ駆け付ける。
この期に及んで未練たっぷりの女は、留守の間、チャン捜査官に貰った犬の面倒を見て欲しいと渡す。
犬のケージにダイヤが隠してある事を、女は知らない。
高飛びのつもりでハネムーンに発とうとしたチャン捜査官は、ダイヤがチウ・ミンの手に渡ってしまったと知り、女を殴り激怒する。
チウ・ミンに電話を掛け、渡したネガはコピーだと言い、呼び出す。
スージーには知らせずに出掛けるチウ・ミン。
ネガの件は嘘で、チャン捜査官はチウ・ミンを殺しダイヤを奪おうとする。
懐かしい土管だらけのシチュエーションでの対決、そしてダイヤは誰の手に…?!
(…って既にワケワカメでどーでもいい人が大半だろうけど)
見所
孟飛さまは15分位から2分ちょいの出演だが、成金ぽくないお金持ちっぷりが素敵だ。
宝石の扱いが石ころっぽく、とてもキョーミがありそうには見えない。
メインキャスト半分が日本人という珍しい設定で、本物の日本人が演じているにも関わらず、部屋の壁紙が青竹の模様だったりなど、控えめながらジャパンファンタジーを繰り広げてくれる。
王道がお線香をあげるシーンでは、鐘の音が「プィン、プィ~ン」!
チャン捜査官の女と日本人(何故かスージーという名)の区別が付いていないと、物語が把握出来ないと思う。
最後に出て来るのはスージー。
冒頭で「命に換えても父のダイヤを守る」と言っており、それを最後まで貫こうとする。
彼女らを含め、女性3人は全員、同じパターンで脱いでしまう…
王道が女には目もくれずキケンなアクションで頑張っているというのに、共演の王冠雄、徐少強、陳恵敏がこぞってお色気にどっぷりとは、いとをかし…
補足
レビューは英語音声、デンマーク字幕版を使用。
孟飛さまは「特別ゲスト」としてクレジットされている。
1982年とのデータも存在する。
OPクレジットに日本人の名は無いが、ポスターにはある。
「長川吉孝」は「おさがわよしたか」と読むようだが、どの人だか判らない。
まぁ、どーでも良いとこだが。
水野桔花は「水野ゆか」としてマニアに知られている様だ。
改名したと言うより、香港映画だから漢字を遣わざるを得なかったのではなかろうか… どーでも良いがアゲイン。
今もお元気だそうで、良かったではないか。
ポスター画像は不鮮明な為、判り難いのだが、台湾の「龍祥影業有限公司發行」である可能性が高い。
印刷物や映像で確認が取れていない別名には「Superior Knife」「最高的一把刀」「雪山飛刀」があるが、誤字や誤りなども多いデータベースなので、信憑性は微妙。
「最高的一把刀」は、あるとすれば「最亮的一把刀」、即ち「最もまばゆいナイフ」を1字読み違えたものではと疑われる。
ならば、「雪亮的一刀」よりもむしろ台詞に近い。
「搏殺」は香港のタイトルらしい。
出品/香港天平影業公司 發行/龍祥影業公司(Long Shong Pictures Ltd.) (デンマーク版 91分)