Five Masters Of Death
少林五祖 - 第三頁

ファンは、政府軍に捕らえられて連行されかけている一人の青年を発見した。 彼はこの近くに拠点を持つ革命組織のメンバー、チェンであった。 ファンは彼を助け出して路地裏に身を隠したが、追っ手は瞬く間に彼等を包囲した。

向こう側からは政府軍のチン、そして屋根の上からは槍部隊が迫ってくる。 とても二人で突破できる数ではない。

既に深手を負っているチェンがファンにささやく。
「北西の丘に仲間がいる。俺が奴らを引きつけるから、そこへ逃げてくれ!」
「だめだチェン、一緒に行こう」
「いいから行け!」

ためらうファンを、何者かの手が引っ張った。
「あんたが逃げなきゃチェンは犬死にだぞ」

チェンを置き去りにして隠れ家に辿り着いたファンを仲間達が責めた。

「判ってる..... 俺がもっと強ければ彼を救えたかも知れない。 太刀打ちできる相手じゃなかったんだ。 だけど奴らを恐れた訳じゃない、あそこで殺される訳にはいかなかったんだ。 敵は多勢だ。倒すには時間をかけて仲間を増やし、団結するしかないんだ。 俺は卑怯者じゃない。 仇は必ず討つ! そして国を再建しよう。 俺を信じる者はついて来てくれ.....一緒に闘おう。」

なかなか仲間に出会えないマーの前にフーイーが現れた。
同胞との再会に喜ぶ彼から、言葉巧みに革命組織同士の連絡方法を聞き出そうするフーイー。 だが、もう少しという所で正体を見破られ、マーに襲いかかる。

「そうか..... 裏切り者はお前だな」

逃げ出したマーの前に仲間が現れた。だが二人がかりでも倒せる相手ではない。 連れ去られながらマーは仲間に叫んだ。

「みんなに伝えてくれ、裏切り者はフーイーだ!」

彼は仲間と合流し、フーのもとへと急いだ。

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