Five Masters Of Death
少林五祖 - 第四頁
盗賊の統領カオ・フォンに会いに隠れ家にやって来たフーの前に一味の者達が立ちふさがった。
少林寺派はここでも歓迎される様子はない。
「裏切り者の仲間が何しに来た?
どうしても通りたけりゃ俺達を倒して行きな。」
「俺は味方とは闘わない。俺の敵は友や家族を殺した満州人だ。
奴ら以外と闘う気はない。殴りたければ殴るがいい。」
隠れ家の洞窟には、彼等も又革命の士達である事を表す「反清復明」の文字が刻まれていた。
だが統領カオ・フォンもやはり、少林寺門弟の裏切りが許せない。
「となり町の監獄へ行って役人頭の首を取ってこい、そうすればお前を信用してやろう .....言っておくが、危険な町だぞ。」
「判った、やってみよう。だがもし俺が生きて帰らなかったら.....頼みを聞いてくれるか。まず-----
その壁に書いてある事を実行して欲しい。そして愛国者達が君を頼って来たら、仲間に入れてやってくれ。
子分達を鍛え、導き.....こんなところに隠れ住んでいないで、祖国の為に何か行動を起こしてくれ。」
そう言って洞窟を後にするフーを無言で見送る統領であった。
町へ向かおうとするフーのもとに、マーが裏切り者フーイーに捕らえられたという報告が飛び込んだ。
それはまさに、フーの向かおうとしている町であった。
「行っちゃだめですよ、殺されます。」
「そうかも知れない。だがあの統領カオ・フォンが味方についてくれるなら、危険を冒す価値がある。」
フーと共に命を賭ける決心をし、町へと向かう一行のもとにカオ・フォンの子分達が駆けつけた。
「我々も行きます、統領もあっちに向かってます。
まだ若いし口は悪いけど、正義漢なんですよ。」
「判ってる、だから頼みに行ったんだ。」
マーの拷問が始まろうとしたその時、部屋の外が騒がしくなった。
フー達の一斉襲撃が始まったのだ。マーを拷問部屋から救い出したのは統領カオ・フォンであった。
「お前がマーか、フーが来てるぞ、早く逃げろ!」
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