Five Masters Of Death
少林五祖 - 第六頁

それぞれが一度破れた相手を標的と定め、打倒の策を練り、鍛錬を重ねた。 こうして十八ヶ月の時が過ぎる頃には、それぞれの成果が見え始めていた。

そんなある日.....

台湾を占拠した明の遺臣、鄭成功が間もなく応援に訪れるという知らせが入った。

時は今、熟しつつあった。
二週間後に迫った革命集会の為、フーは四人を集めた。
集会の話がかぎつけられれば必ず妨害されるだろう。 五人はおとりにとなり、敵の目を引き離すことにした。

「俺達はこの1年半で著しい進歩を遂げた。 それでも奴らを倒せる力があるかどうかは俺達自身にも判らない。 だが、向こうは俺達に勝てると確信して油断している筈だ。」

敵にニセの情報をつかませてワナにかける為には、誰かがわざと捕まらなければならない。 彼を送り出すフーは一同を代表して跪いた。

「私の命などで役に立つのなら喜んで...」

彼を拷問にかけて秘密を聞き出したつもりのフーイーは、手柄を自分達のものだけにしようと、援軍を待たずに行動する事を提案した。

「道しるべは川に向かっている。恐らく朝になるのを待って渡るつもりだろう...」

<前頁 * 第6頁 * 次頁>


第1頁 扇の間